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2012/04/16(No123)

「社員総会出席雑感」

中尾 誠男

筆者同僚だった前事務局長の児玉君に誘われて入ったDFですが、まだ常勤で仕事を続けている関係で、出席したい会合になかなか出席できず残念に思っていました。

会員である以上、もう少しDFの力を理解したいと3月29日の総会に出席しました。

真鍋代表のDF活動報告をお聞きして、自分が所属しているベンチャー部会や監査役部会など部会活動について纏まった形の全体像を把握する事が出来ました。新鮮だった事は理科系に興味を持つ子供を増やしたいという考えによる「理科実験教室」の社会貢献活動の報告でした。東北大震災地の三陸町や福島原発に近い南相馬に出かけて小学生対象のボランテア活動をしているというお話には、自分にはそんな発想が全く無かっただけに感銘を受けました。

そのことを反芻しながら帰宅したとき、医師をしている愚息が久しぶりに帰ってきて家内と団欒しながら食事をしているところでした。

「親父、久しぶり!相変わらず仕事で遅いね、そろそろ稼ぐのを大概にしてボランテアでもやったら?」。「仕事を通じて社会貢献しているのだからお前に言われる筋はない」と反論し、DFで遅くなった事は言い出せませんでした。

愚息は茅ヶ崎医師会に所属していますが、大震災に何か貢献しなければと自ら志願して、はじめは三陸町の医療支援で、少し落ち着いてからは南相馬の病院にボランテアで月に1回くらい行き始め、今は週に1回くらいの頻度になっています。先輩である院長から「病院としても君の存在感が大きくなってきている。ボランテアではなく正式に来て欲しい」と言われているようです。親としてはそこまで入れ込んでしまって良いのかと、遠くに倅を取られては困るとの思いから苦言を呈していました。

「いつも南相馬に行くバスで、親父くらいの年恰好の品の良い方々と乗り合うことがあるが、何でも学校で子供に教えているそうだよ、親父も見習ったら?」と先ほど聞いた理科実験教室グループの活動の方らしい話が偶然愚息の口から出ました。

愚息は倅たちの中で1人だけ医師の道に進みましたが、嫁をもらって孫の顔を見せてくれる風でもなし、赤十字活動やボランテアなどに力が入り、お人好し、少しは変人と思っておりました。

「ボランテアに来ている人の殆どが良い人だよ。養護病院などで介護を押し付け合う家族を見ていると人間の汚さにやりきれなくなるが、人間的に素晴らしい人と仕事が一緒にできると、やりがいがあって遠い事なんか苦にならない」というので、「そういう人から嫁さんを見つけて身を固めろ」と抵抗するのが精一杯でした。今回だけは倅に負けたという思いになりました。

なかおまさお ディレクトフォース会員
元・三菱油化、三菱化学エンジニアリング、日東化工日本錬水 現・なとり