スキューバ同好会
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スキューバ同好会の本年第2回目のツアーはフィリッピンのセブ島である。
2月にパラオに行き、7月は沖縄の計画があるから、けっこう忙しい。セブ島ツアーの参加者は佐藤眞樹、杉山孝義、松本一紀、横井時久の4名。平均年齢は70歳を軽く超えている。ゴールデンウイークが終わった直後の5月7日昼、参加者は成田空港第二ビルのフィリッピン航空のカウンターに集合した。午後2時半成田発、午後6時20分セブ着。送迎の車でセブ島の東端のマクタンから南端のサンタンダールまで3時間走り、ホテル兼ダイビング店であるルビリゾートに到着、翌日のダイビングに備えてすぐ就寝となった。
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さて、ダイビングの初日である5月8日は、6時起床、7時朝食、8時出航でスタートした。まず近くのオスロブの町にあるジンベイポイントに向かうことになった。バンガーボートで約15分行ったところがジンベイポイント。用具を点検して順次潜行。一旦水面下5mの海中に集合し、全員耳抜きその他の安全をハンドシグナルで確かめてから、ガイドの後について、水中を進行。やがて、10m位の海底でガイドがななめ方向を指すのを見たら、いたいた。8mはあるかと思われるジンベイザメが悠然と泳いでいる。前もってガイドから注意を受けていた。ジンベイザメには絶対触らないこと、来たら逃げること。尾ひれで叩かれたら、相当痛いとのこと。このポイントではひたすらジンベイザメを見るのに徹する。すぐ近くに2m位のかわいいジンベイザメが泳いできた。なるほど肌には甚平の模様がある。英語ではホエールシャークと言い、頭でっかちである。どちらの名前も特徴をよくとらえている。40分ジンベイザメを堪能して船に戻る。途中水深5mのところで、3分間安全停止をして、体の中の窒素を減らして浮上する。
船はゆっくり移動しながら次のポイントであるスミロン島に向かう。船上の休憩は1時間。第2のポイントであるスミロン島のガードハウスでまたタンクを背負って海に入る。ここのお目当ては綺麗なサンゴと熱帯魚。サンゴに生息する美しい小魚をたくさん見て船に戻り、今度は楽しいお弁当。そしてこの日最後の潜水ポイントに移動。同じくスミロン島のサンクチュアリが第3のポイントである。その名の通り保護区で、サンゴを傷めないように手袋の着用を禁止されている。イソギンチャクに生息するクマノミは熱帯特有の綺麗な魚で、歌舞伎のメイクアップであるクマに模様が似ているので、この名がついたとも言われている。英文名はアネモネフィッシュ。濃いオレンジに白い筋が1本あるのがハマクマノミ。2本がクマノミ。3本がカクレクマノミ。背中が白いのがセジロクマノミ。といった具合に7種類のクマノミが棲んでいる。綺麗な魚の写真をたくさん撮って船に戻る。この日のダイビングはこれで終わりとなり、ショップに戻ってから、潜った記録をつける。潜水時間、水温、気温、タンクの空気の残量、ウェイトの重さ、見た魚や景色等を全て記載し保管する。これをログヅケという。シャワーを浴び、夕食がすんだらバタンキュウ。翌日に備える。もっとも外に出て遊ぼうにも、セブ島の南端にはカラオケ、風俗等何も無い。
5月9日はダイビングの2日目。船で遠くに向かうので、出航は午前7時。勿論それまでに朝食をとり、トイレをすませておく。目的地はボホール州のバリカサグ。船で2時間進んだところに最初のダイビングポイントであるダイバースヘブンがある。ここでは、ギンガメアジの大群に遭遇。フィリッピンバタフライ、パープルビューティといった綺麗な熱帯魚とも戯れ、アオウミガメも出迎えてくれた。次のポイントはブラックフォレスト。ドイツの黒い森ではない。ギンガメアジ、アカマダラハタ、アオウミガメ、テッポウエビ等のほかにタイマイもいた。タイマイはアオウミガメに似ているが、甲羅の後方がギザギザになっている。乱獲で数が減っているそうだ。昼食の後に潜ったのはバリカサグのサンクチュアリ(保護区)。サンゴが綺麗。魚も綺麗。カスミチョウチョウウオ、アヤコショウダイ、ハタタテハゼといった魚は幸せだが、ニセクロフエダイといった名前をつけられた魚はさぞ迷惑に思っているだろう。3本のダイビングをすませ、一旦ショップに戻り休息を取る。この日はこれで終わりではない。午後6時から宿に近い海でナイトダイビングをした。昼間の潜水と違って海の中は真っ暗。懐中電灯で照らしながらゆっくり移動する。観察するのは主にエビやカニの類。ガイドから離れないように注意して泳ぐ。1日に4本潜るのは体力的にも大変で、この日は疲れた。
さて、第3日目の5月10日、航路で1時間半、ネグロス州のアポ島に向かう。3本の潜水中に、カブラヤスズメダイ、モヨウフグ、サザナミトサカハギ、ヤマブキスズメダイ、オニハタタテダイ、カスミアジ、オオフエヤッコ、パープルビューティ等々を見た。面白かったのは、ギンガメアジの大群の中に、色の黒い魚が銀色の魚にくっついて泳いでいること。これを黒婚姻色というそうだ。普段は銀色の雄が雌を誘惑するために黒い色に変わるとのこと。魚の世界もそれなりに大変だと思った。アポ島周辺の海には汐の流れがあるので、汐に上手に乗ると楽に移動できる。それにはガイドと同じ水深を保って、できるだけ海中のドロップオフ(岸壁)に沿って泳ぐ必要がある。海ではぐれると、大変なことになる。
ダイビング最後の日である5月11日は、近くのポイントであるリロアンで2本だけ潜った。スパインチークアネモネフィッシュ、ヒレナガスズメダイ、クマドリカエルアンコウ、ヤマブキハゼ等々、日常生活では馴染みの少ない名前だが、海の中では大いに活躍している。この日の午後は、シャワーを浴びて、用具を全て洗い、干してから、対岸のネグロス島にあるドマゲッティという都市にフェリーで出かけた。飛行機に乗る18時間前までには、潜水を終え、体の窒素を減らす必要があるからである。この近辺では大都市であり、公共の交通機関であるジプニーやトライスクルで移動する。野菜市場にドリアンを求めて行ったが、季節外れとのこと。唯一の観光地であるカセィドラルでお葬式の礼拝を見た。結局ここでのイベントはライライケンでラーメンを食べたことだけで、早々にホテルに戻った。翌日は午前3時にホテルを出て空港に向かう。午前7時半セブ発、午後1時半成田着。このようにして事故も無く、セブ島ダイビングツアーを終えることができた。5泊6日の旅だが、あっという間の出来事であった。
以上
文責 横井時久