イベント名 | 開催年月日 | 行き先 |
---|---|---|
第25回「モルディブダイビング紀行」 | 2019/03/16〜 03/23 | モルディブ |
「グレートバリアリーフ」ビデオ公開 | 2018/11/13〜 11/19 | グレートバリアリーフ |
第24回 ダイビング紀行「グレートバリアリーフ」 | 2018/11/13〜 11/19 | グレートバリアリーフ |
第25回「モルディブダイビング紀行」
スキューバ同好会の第25回目の活動として今年3月16日から23日の正味5日間、長谷川さん、水口さんと3人でモルディブで潜った。
モルディブはインドやスリランカの南西沖のインド洋に南北に長い26の環礁とその中の約1200の島からなる。最高標高24メートルと言う平坦な島々で、国名はサンスクリット語で「島々の花輪」を意味すると言う。人口は約40万人で多くがイスラム教徒であり、1965年にイギリスより独立した。今はタヒチと並んで新婚旅行のメッカである。
東京からコロンボまで約10時間、乗り継ぎでモルディブのマレまで1時間。飛行機を降りると空港の出口の反対側が港で、「プリンセス・ハッシーナ号」が待っていてくれた。全長32メートルでツインのキャビンが9室、定員は18名とゆったりとした豪華クルーザーで、カリスマ日本人女性ガイドのカオリ―タがオーナーである。珍しく今回のダイバーは全員日本人で、中にはもう百回以上も通っていると言う猛者もいる。
日本人女性でカリスマガイドのカオリ―タと彼女がオーナーの「プリンセス・ハッシーナ号」 |
1日目(3月17日)
1日目は北マーレ環礁で潜った。飛び込むなり、黄色い4筋の線も明るく鮮やかなベンガルフエダイの群れが歓迎してくれた。圧巻だったのはブルーの体側にイエローの背びれがくっきりと美しいパウダーブルーサ―ジョンフィッシュがここでは大きな群れを作り、汐通しの良い浅いサンゴ礁の下から次々と湧き出してくる様には目を見張った。帰りがけにマンタが我々の傍を素知らぬ振りをして何事も無いように悠々と泳ぎ去って行った。
2日目(3月18日)
2日目は南西に走ってアリ環礁で潜った。真っ白や紫色のソフトコーラルが美しかったが、朝早くで海の中は暗く良い写真は撮れなかった。先ずはベンガルフエダイの群れが今日も出迎えてくれた。
フエヤッコダイやトゲチョウチョウウオなどいかにも熱帯魚らしい連中に出会った後、すだれカーテンの様に海を隔てているアカモンガラの群れの向こうにマダラトビエイの群れが悠々と泳ぎ去って行く。神々しい感じすらする。ツバメウオの群れや今まで余りお目にかからなかったムスジコショウダイがここではドヤ顔で群れている。そして今日のフィナーレは流れの速いドロップオフの崖際にフックを掛けて空に浮かぶ凧の様に、宙吊りになりながら、縄張りを行きかうグレイリーフシャークの回遊を眺めたが、流石に人食いざめではないと知りつつもその数と距離の近さに些か恐怖感を覚えた。
第25回「モルディブダイビング紀行」ビデオハイライト
3日目(3月19日)
3日目はアリ環礁の西側と南側で潜った。何と言っても圧巻はマンタ。でもその前にアカハナゴイ、固有種の1本線も美しいモルディブアネモネフィッシュやお馴染み2本線のクマノミ、テングチョウチョウウオ、イエローヘッドバタフライフィッシュ、白と黒の対比の鮮やかなブラックピラミッドバタフライフィッシュ、日本ではユメイロモドキと呼ばれるイエローバックフュージュラーの群れなどをのんびり眺め、長谷川さんも水口さんも余裕しゃくしゃくのダイビング姿を披露。そして突然前方にマンタの影が現れた。しかも2枚。大きな岩根の頂上にベンガルフエダイが群れており、その真上で、4畳半は有るかと思われるマンタがのんびりと2連星になってクリーニングを楽しんでいる。
時々後ろの若そうなマンタが定位置から外れ、辺りをグルっと回って僕の頭の上を通って、元の位置に戻って行く。マンタは石垣島や、パラオ、シミラン、グレートバリアリーフなどで遭遇したが、一度に2枚も且つ長時間クリーニングをしているのを見たのは初めて。興奮を抑えきれず、20分以上もビデオカメラを回し続けた。流石、マンタ、流石、モルディブと感激一入だった。感激から覚めて次の大物ジンベイザメを探しに出かけた。何漕かのダイビング船がやはりジンベイザメを探しているのかジンベイが立ち寄りそうなポイント、ポイントで情報交換をしていた。ジンベイは体長10メーター近くあるがオキアミなどのプランクトンを主食にしており、セブ島のオスロブでは餌付けに成功し、毎朝決まった時間に韓国や台湾からの観光客とかシュノーケルをする人達が集まり、まるで朝市の風情だが、ここではあくまでも、しかも魚群探知機など使わずにひたすら勘と経験と人間の目で探す。今日は遂に探し当てられずに諦めて本船に戻った。
4日目(3月20日)
翌朝は太陽が上がったが、雲も多い天気の中、ジンベイザメ探しに出発。そしてもう諦めかけていた頃、見張りのスタッフがジンベイが居たと叫び、50メーター先の海を指さした。皆、ゴーグルとフィンだけ付けて、一斉に海に飛び込み、競う様に泳いだ。そして海面から5~10メーター下辺りに、きれいな甚平模様が見えた。悠々と泳いでいる。早速カメラを向けるが、泳いでいる他人の手や足が邪魔をして中々連続して良い動画が取れない。おまけに借りたシュノーケルチューブが壊れたのか、海水が入って来て苦しい。悪戦苦闘している間に、ジンベイザメは悠々と海の彼方に消え去ってしまった。それでも何とか動画を撮ることができた。力を出し切った感じで疲労感がドッと襲って来た。
その日はもう1本潜ったところで喉が痛く、熱も出て来たので、水口さんと長谷川さんに断り、その日は潜らないことにした。クルーザーのトップデッキに上がり、涼しい風を堪能しながら、日陰の場所を選んでデッキチェアに寝転がり、ビールを片手にスマホで音楽を聴きながら、本を読んだり、囲碁のゲームを楽しんだりした。これも又クルーザーの楽しみ方のひとつ。
5日目(3月21日)
昨夜からおかしいとは思っていたが朝起きたら、全く声が出なくなっていた。
日本に帰ったら早速ガイドの仕事が待っており、声が出ないのでは仕事にならないので今日は完全休養日とした。桜を見るのを楽しみに3月末から4月初めにかけてアメリカやヨーロッパから来る7組のご夫妻を東京や鎌倉、箱根を案内することになっている。彼らの期待に背くわけにはいかない。幸い休養を十分とったせいか、帰りの飛行場に着く頃には声も少しづつ出始めて来た。
今まで色んなところで潜ったが、モルディブは総合的にはNO.1だと思った。
見たい魚は大きいものも小さな可愛いものも殆ど皆取り揃えてある。東京からそんなに遠くないし、空港から直接クルーザーに乗れるのも素晴らしい。船室も船内もゆったりしている。今までのダイビングの集大成みたいなところでもあった。
最終日の夜の夕食後、長谷川さんのグレートバリアリーフでの800本偉業達成に続き、今回モルジブで水口さんが200本達成、私も222本のゾロ目達成のご褒美のケーキを頂きました。
◇ ◇ ◇
モルディブに大いに満足した我々は、早速、帰りの空港でこれからの計画を話し合った。今年の夏は皆の都合が合わなかったのでスキップし、来年2月にパラオ、7月に小笠原に行くことを決めた。
その後、増永さんと言う新しいメンバーも加わって戴き、我同好会も絶滅の危機から脱することも出来そうになり、今後の活動も楽しみが増えて来た。
■ 「グレートバリアリーフダイビング紀行」ビデオ公開
2018年11月中旬に行ったオーストラリアのグレートバリアリーフ(以後GBRと表記)での6日間にわたるダイビングの様子をビデオにまとめました。
これに先駆け、本年3月にダイビングの紀行文を公開しましたが、併せてご覧いただくを一層興味が引き立てられるものと思います。
また、このビデオは撮影したほとんどの魚たちの名前を記載していること、折々の様子を記述したことなど、他のダイビングビデオには見られないユニークなビデオと自負しています。
興奮冷めやらぬ想い出のツアーを素敵な音楽とともにぜひご覧ください。
■ 第24回 ダイビング紀行「グレートバリアリーフ」
11月中旬、長い間の夢だったオーストラリアのグレートバリアリーフ(以後GBRと表記)でのダイビングが実現した。何年も前から行きたい行きたいと言っていた同好会の仲間はそれぞれの理由で今では引退してしまっている。彼らの分も楽しんで来なければと思う。
夢が叶ったりすると、豪州の首相の様にサメにでも食べられて命を落とすかも知れないなどと不吉な予感を感じ、正夢にならない様に敢えてその不安を口に出して友人達に喋ったりもした。幸い何事もなく、無事、長谷川、水口、佐藤の3名はダイビングを大いに楽しみ、素晴らしい思い出を胸に帰国した。
GBRはオーストラリアの北東岸に2600キロにわたり連なる世界最大のサンゴ礁地帯で珊瑚海に在り、世界遺産にも登録されている。現在生育しているサンゴ群は最終氷期の最終期である約2万年前から生成が開始したとされている。
今では1500種程度の魚が住んでおり、サンゴは何と400種が確認されている。
13日、山梨県の私立高校の修学旅行の生徒達と乗り合わせ、ケアンズに14日早朝到着。ホテルに入り、先ず朝寝をし、昼頃ラーメン屋を求めて街に出掛けた。
タクシーのドライバーによると、この町の紫外線は東京の7倍強く、暑い昼は無人で、涼しくなる夜からが活気づくのだそうだ。
ラーメン屋でラーメンと餃子を頼んだが、ライセンスが無いのでビールは飲めないと言われ大いにがっかりする。流石に法治国家。
ホテルに戻り、昼寝をして夕方に海岸通りの美しい遊歩道に在るDUNDEESと言うレストランでステーキを食べた。DUNDEESとはワニのことで、昔はワニのステーキが有名だったそうだ。確かに夜は海風が気持ちよく、多くの着飾った人達や観光客が港の夜景を楽しみながら食事をしたり、そぞろ歩いている。
ダイビング初日(11月15日)
15日朝、8人乗りのセスナ機でスペイン、デンマークからの2人連れとケアンズ郊外の飛行場から海岸線に沿って2時間北上し、クックタウンの北東に在るリザード・アイランドに降り立つ。その名の通り、キャプテン・クックがこの島に到着した時にはトカゲしか住んでいなかったそうだ。そこで迎えに来ていた SPIRIT OF FREEDOM 号と言う37メーターの豪華クルーザーに乗り込んだ。
同行の人たちと |
スタッフは10名、乗客はアメリカ15名、デンマーク2名、スペイン2名、日本が我々と就活の終わった大学生の計4名他で25名。タクマさんと言う日本人のスタッフが1人居てくれてホッとする。船は東に走り、GBRの北の一部であるリボンリーフに到着。早速2つのポイントで潜った。
恐ろし気な姿のコブシメと対象をなす鮮やかな赤や黄色の色に輝くキンギョハナダイの群れが陽を浴びてサンゴ礁に遊び、ヤクザみたいな怖い顔をしたバラフエダイの群れと白く見えるのにクロハギの群れが共に縄張りを共有している様に泳ぎまわる。未だ幼いナポレオンフィッシュがキョトキョトと迷い出し、蛍光色の青い線が鮮やかなクマザサハナムロの群れが一挙に斜めに泳ぎ去る。不気味な顔をした大きなジャイアントスイートリップが我が物顔に徘徊し、宝石の様な瑠璃色をしたスズメダイが群れ、ケショウフグや黒点模様のサラサハタが悠々と泳ぐ。真っ黒な体に後部だけが見事に白いコントラストの鮮やかなスパイニークロミスやツバメウオの群れがのんびりと行進していく
。
ハナゴイ |
インストラクターがナイトダイビングに誘ってくれたが、僕は2本目で左足太ももが吊ってしまい、真っ暗な海の中では危険が大きすぎると思い諦め、長谷川さんだけが参加した。真っ暗な中で、手に持ったライトの目の前でサメやローニンアジが小魚を捕食したり、ウツボがタコを捉えてかみ殺す様は壮絶でド迫力満点のショーだったそうだ。
夕食後、船は北東に走り、GBRの外海に出て、ケアンズからは300キロ離れたオスプレイリーフに向かった。外海は波が荒いので酔い止めを飲むよう指示された。お陰様で3人とも酔わないで済んだ。
オスプレイは米軍のヘリとして有名だが、ミサゴと言う鳥のことである。
ダイビング2日目(11月16日)
翌日、オスプレイリーフの1本目で中層を泳いでいる時に、何と群青色の海の中から、4畳半は有るマンタがこちらに向かって泳いで来て、僕に気が付き、目の前で大きく右に旋回し、再び群青色の海の中に消えて行った。何度見てもマンタは凄い。荘厳な感じ!今回は冷静にビデオにマンタを納めることが出来た。マンタは多くの場合、体に着いた寄生虫などをベラなどの小魚に食べて貰う所謂クリーニングの為に、海中の大きな岩根にやって来るのをダイバーは岩陰に隠れて待ち伏せして見ると言うのが、普通なので、こうして中層で直に遭遇することは珍しい。以前、パラオでマンタの子供に中層で遭遇した時は興奮の余り、カメラの操作を間違えて、まったく動画は撮れなかったので、今回は大成功である。
悠然と泳ぐマンタ |
2本目では食事をダイバーに邪魔され、静かな所を求めて逃げて行ったタイマイや川の流れの様なホソカマスの群れ、悠々と泳ぐグレイリーフシャークやギンガメアジの大群など大物に出会うことが出来た。
シャークフィード |
4本目の後半はローニンアジの群れが真っ黒な鋼鉄の鎧を付けた様な大きな雄から未だ若いのまで船底の下で密集して我々を待ち構えていた。
船に上がると夕焼けがとても美しかった。
ダイビング3日目(11月17日)
17日もオスプレイリーフで潜った。バラクーダの大群を追いかけ、イソマグロなどの大物を間地かに見、ハタタテダイやお気に入りのパープルビューティーなども実に美しかったし、2本目のシャークフィードは圧巻だった。ダイバーが水深15m位に在る岩の上に腰かけて待っていると、マグロの頭を4個入れた鉄製の籠が船から降りて来て、その匂いで何十匹と言うサメが集まり、籠の周りをグルグルと遠巻きにして泳ぎ回わる。おこぼれにあずかろうとするバラフエダイやたくさんの小魚が籠の近くで待ち構える。インストラクターの一人がカゴノ蓋を開けると同時に一斉にサメ達が餌を求めて競い合う様は圧巻だった。僕の大好きなツノダシがビフテキを食べた後の御新香のおもむき宜しく爽やかだった。
この回が長谷川さんの丁度800本目のダイビングで、海中で記念撮影をした。800本は本当に凄い。
800本目のダイビングを達成した長谷川さん(中央) |
その晩は最後の晩だと言うので美しい夕焼けのデッキの上で随所の集まり、シャンパンを開けたり、牛、羊、カンガルーのステーキディナーに舌鼓を打ったり大いに盛り上がった。
そしてその夜遅く、船はオスプレイリーフにさよならをして夜通し走り、帰路に着いた。
ダイビング4日目(11月18日)
翌日早朝、立ち寄ったリボンリーフで潜る。アカヒメジの大群やキンギョハナダイやアカネハナゴイの群舞、ハナビラクマノミのの端正な姿にうっとりする。朝飯後、今回の最後のダイビング。浅い海はキンギョハナダイとアカネハナゴイの乱舞、可愛らしいミスジチョウチョウウオの夫婦、ぱっと辺りが明るくなるようなヨスジフエダイの群れ、僕の大好きなツノダシまたまたキンギョハナダイとハナダイダマシの群舞に竜宮城に居るかの様な錯覚を覚え、孤独なミノカサゴと映画ニモのモデルになったバリアリーフアネモネフィッシュ一家に別れを告げてダイビングは無事終了した。
◇ ◇ ◇
興奮冷めやらぬまま、帰りの飛行機に乗る前には次回はモルジブに行くことが機関決定されていた。
◇ ◇ ◇
ビデオ「グレートバリアリーフダイビング紀行」