酒蔵見学『おとなの酒学旅行』 日本酒文化研究会

2024年2月16日
日時
2023年11月12~14日
旅程
11/12(日)
京都・松尾大社
11/13(月)
奈良・春日大社酒殿、今西清兵衛商店、元興寺(がんごうじ)
11/14(火)
三輪・大神神社(おおみわじんじゃ)、活日神社(いくひじんじゃ)、稲田酒造、纏向遺跡(箸墓古墳、纏向黒塚古墳等)
参加者
角谷(766)、嘉屋(982)、近藤(115)、段谷(740)、萩野(988)、林(1347)、樋口(1380)、平尾(1190)、宮武(1375)、山口(1006)、の10名
内容
今回のツアーは日本酒の歴史と文化に視点を合わせ、更に3世紀の古墳を訪ねるなど古代日本史を学ぶと旅となった。また京都では禅宗「普茶料理」をいただき食の文化も体験できた。 具体的には毎年11月14日に開催される大神神社の酒まつり(醸造祈願祭)を見学すべく日程を合わせた。そしてツアーの締め括りには天理市の稲田酒造合名会社を訪問し、社長と杜氏から苦労話を聴いた。

【訪問先備忘録】

<京都編>

  • 松尾大社:京都最古の神社で日本第一酒造神」。 昭和の名作庭家、重森三令氏が最後に手がけた3つの庭からなる「松風苑」や、平安初期の神像が祀られている「神像館」も必見。

<奈良編>

  • 正暦寺:清酒発祥の地と言われている。 紅葉の名所としても有名。 正暦寺において創醸された室町中期の菩提酛造りを復活させようと「奈良県菩提酛による清酒製造研究会」が毎年1月初めに伝統的菩提酛造りによる酒母を寺領で収穫された米と正暦寺の水を用い造ることで製法を後世に継承している。
  • 元興寺(世界遺産):飛鳥にあった日本最古の寺「飛鳥寺」(587年)を平城遷都にあわせて718年に移築した寺。国宝の極楽堂の屋根の一部に日本最古の瓦がある。
  • 春日大社(世界遺産):全国の春日神社の総本山。 石灯篭2千基、釣り灯篭1千基。
  • 大神神社:本殿は設けずに拝殿の奥にある三ツ鳥居を通し三輪山を拝するという原初の神祀りの様を伝える最古の神社。 11月14日には、杉を手に巫女が舞うお神楽「うま酒みわの舞」がある。
  • 活日神社:大神神社の摂社。本社拝殿から山の辺の道を登り瑞垣に囲まれた中に鎮座。 祭神は杜氏の神様である高橋活日(いくひ)命。 一夜にして美味しい酒を造ったといわれる。酒まつり等で舞われる神楽「うま酒みわの舞」は活日命が詠んだ歌で作曲、作舞される。
  • 纏向遺跡:ヤマト王権発祥の地として、また東の邪馬台国の候補地となっている集落遺跡。
  • 箸墓古墳:全長280mの前方後円墳。 「日本書紀」には「昼は人が造り、夜は神が造った」とあるそうだ。
  • 檜原神社:大神神社の摂社で同様に境内には本殿も拝殿もなく「三ツ鳥居」がある。境内から鳥居越しに二上山が見え、春分・秋分の日頃に、三輪山から昇った朝陽が、二上山の雄岳と雌岳の間に沈む夕陽の絶景地として有名とのこと。
  • 「行く川の過ぎにし人の手折らねばうらぶれ立てり三輪の檜原は」(柿本人麿呂)
  • 聖林寺:観音堂に安置されている十一面観音立像(国宝)は、気高く美しく艶めかしさもあり360度どこからでもから拝める。本尊の子安延命地蔵坐像は優しい顔の丸い大石仏。
  • 黒塚古墳:小高い古墳の上まで登ることができる。33面の三角縁神獣鏡が出土し、隣の展示館で、レプリカや原寸大の石室レプリカを見ることができる。
  • 「今西清兵衛商店」:春鹿でおなじみの酒蔵。女性スタッフの軽快な説明が冴える。試飲は外国人客にも対応していている。
  • 「稲田酒造」:天理にある酒蔵。熱意ある若い蔵元とベテランの杜氏から酒造りに纏わる様々な苦労話や今後に向けた想いなどを聴いた。

おとなの酒学旅行

今西清兵衛商店

稲田酒造

以上(新庄 正彦)