山﨑雅史会員 動画レポート
クルマの電動化の今と日系自動車メーカーの立ち位置

活躍する会員(2024)

2024年11月1日

山﨑雅史会員(804)からクルマの電動化についての世界の動向と日本の立ち位置についての動画レポートが届きました。いつもながらの源情報に基づく精緻な解析には敬服します。以下、山﨑さんのコメントです。


欧米では、3万ドルを切るEVを投入して鈍化しているEVの普及を立て直そうとの動きが起きつつあります。テスラは3万ドルを切るEVにステアリングもブレーキもない完全自動運転という付加価値をつけて、頭打ちとなっている自社のEV販売を立て直そうとしています。一方、政府の強力な支援の下でEVとPHVからなる新エネルギー車の普及に邁進している中国では、PHVがEVに勝る勢いで増え続けています。新車販売の9割近くがEVになっているノルウェーに続く電動化先進国のスウェーデンやオランダでは、HVとPHVの普及の土台の上にEVが普及しています。

一見、混沌とした状況にあるように見える今こそ世界の主要市場で起きている電動化の流れを高い空から鳥の眼をもって全体を俯瞰し、先入観や過去の成功体験にとらわれない自由な視点で考えなおす必要があると思います。

現時点で入手可能な今年9月までのデータを使って中国、米国、欧州市場の状況をまとめてみました。また、この機会に世界における日系自動車メーカーの立ち位置についても分析してみました。その結果、浮かび上がるのは中国でBYDを中心に普及しているコストパフォーマンスに秀でたPHVの存在です。海外戦略においても中国勢は今EVで攻勢をかけていますが、海外の市場でEVの販売が立ちゆかなくなればすぐにPHVに置き換えて攻勢を続ける状態にあると考えられます。

今、クルマの世界生産でトップの座にある日系自動車メーカーのシェアは、テスラや中国勢による生産増大で現状のままではこれから低下の一途をたどるのは避けられない状況にあります。データを解析してたどりついたのは、今こそ過去のHVの成功体験にとらわれない自由な発想で低価格で信頼性の高いPHVを開発し、それを中国市場に投入して磨きをかけるチャレンジが必要ではないかと思います。

32分の動画になります。日本の自動車産業の現状と将来について考えるうえでご参考になれば幸いです。

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山﨑雅史会員 動画レポート クルマの電動化の今と日系自動車メーカーの立ち位置
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なお、「モビリティを考えよう」のコーナーでは過去にアップロードした以下の動画もまだ見られる状態になっています。PDFが必要な方はご希望の題目を連絡いただければお送りいたします。


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山﨑雅史会員: masafumi_yamazaki@nifty.com

以上(小林慎一郎