2024年9月3日
山﨑雅史会員(804)が中国自動車品質ネットワーク(中国汽車質量網)のデータを分析して、顧客からの苦情を解析しています。コスト最優先の傾向がみられ、EVモード中にエンジンが始動する苦情などがあるようです。急速な海外進出が兵站の伸びも課題になっていると理解されます。以下、山﨑さんのコメントです。
躍進めざましい中国BYDは中国国内の販売だけでなく、海外市場にも攻勢をかけています。新しいモデルを市場に投入する数とスピードは、他社を圧倒しています。低価格を前面に押し出した戦略は中国市場に価格破壊の波を引き起こし、今まで中国自動車産業の育成に貢献してきた外資系は、そのあおりを受け中国での事業の見直しを強いられています。そんなBYDの製品が中国市場で実際のユーザーにどう受け止められているのか知りたく、中国の自動車品質ネットワークに寄せられている声を分析してみました。
十年以上前に電気バスで海外進出の口火を切ったBYDは、今、新エネルギー車に特化した乗用車で欧州、東南アジア、オセアニア、中南米へと輸出を加速するだけでなく、海外生産へと移行しつつあります。すでにタイではBYD最初の海外生産工場が稼働を始めました。これから数年以内に少なくとも五つ以上の海外生産工場が立ち上がると思われます。急速な拡張は兵站が伸び切る状況を作り出し、その結果は品質、更には顧客の苦情に表れる現象をかつての自動車業界で見てきました。急成長を遂げるBYDの足下がぐらついていないのか検証する、ひとつの材料として参考にしていただければと思います。
約33分の動画と資料のPDFです。
以上(小林慎一郎)