山崎雅史会員「世界主要市場のクルマの電動化の進捗」をレポート

活躍する会員(2024)

2024年7月24日

山崎雅史さん(804)から「世界主要市場のクルマの電動化の進捗」の動画が届きました。


2024年6月のデータが出揃ったので「世界主要市場のクルマの電動化の進捗」の動画をお送りします。

中国では新エネルギー車(EV+PHV)が新車販売(輸出を含む)の41.1%にまで増えてきました。そんな中でPHVの販売は加速し続け新エネルギー車の41.6%を占めています。欧州では「電動化先進国」としてノルウェー、スウェーデン、オランダ、ベルギーが先頭集団を形成しているものの、欧州全体としてはHVへの依存度が高い状態が続いています。米国は先進国の中では最低レベルとなる電動化率18.2%で、特にEVは今年に入ってから頭打ち状態が続き、6月時点でもシェア6.9%と、HVのシェア9.1%との開きが大きくなりつつあります。

世界全体を眺めても現時点でPHVのシェアが20%を超えている国はスウェーデンのみですが(中国は現在17.1%)PHVが着実に伸びている国は中国だけになります。内需の低迷と過剰生産が中国勢の輸出の増大となり、目下の矛先は日本車の牙城の東南アジア、特にタイとインドネシアでのEVの拡販で、現地生産体制を確立してその攻勢を強めようとしています。当面は日本勢のHVと中国勢のEVとが競い合うことになるでしょうが、EVの販売に限界が生じると(現地の電源インフラの整備状況や火力中心の電力構成から考えるとEV販売に限界が生じる可能性は大きいと推測)PHVに切り替えて攻勢を強めてくることも十分に考えられます。EVだけに気を取られずに中国製PHVと競えるだけのHVやPHVを市場に出せる準備も早急にしておく必要があると思います。

山崎会員のYouTubeチャンネルは こちら

33分の動画になります。主要国におけるクルマの電動化の最新状況のご理解の参考にしていただければ幸いです。(山崎雅史)


日本は将来に備え、EVの限界を視野に入れて、PHV市場にも対応しておくことが肝要なのではないでしょうか。

以上(小林 慎一郎