日本ブランド経営学会理事の岩林誠さん、本名、菅谷誠会員(1458)が2023年11月に上梓された本を紹介します。エージェンシーの意味の変遷など、興味深いものがあります。以下はご本人の紹介文です。
勤労生活も終盤に差し掛かり、ここ5年ほど、自分で考えていることを何らかの形にしておきたいと思っていました。
また、知人らと2019年に創設した「日本ブランド経営学会」に対しても毎年論文を執筆してきました。現在は学会の理事の一人でもあります。
その思索のなかで積み上げられてきたことは「ブランディングをリブランディングする」ということでした。つまり、我々のようなマーケター、ブランドコンサルティングという仕事は、資本家や経営者に貢献することを目指してばかりいたのではないかという半ば反省です。ブランディングを根本的に再考するべきだと考えたということです。はたして、従来の「ブランディング」とは、労働者や消費者のためのブランディングだったのか。ブランディングという視点を労働者側、消費者側から観た場合、どのように考えればいいのか。その視点の大切さを提言するために『当事者ブランディング』を書いたということです。
紹介文(アマゾンから引用):
近代資本主義におけるブランディングの歴史を読み解きながら、「中動態」をよりどころに新たなブランディングの方向性として「当事者ブランディング」を提唱。
「当たり前」と思ってきた経営者主導のブランディングをいったんリセットし、「誰もが当事者になりうること」の重要性を説く。30年以上にわたってブランディングに関与してきた著者が、自らの実体験を踏まえ提言する、アンチ従来型ブランディング論。
ブランディング推進に悩むブランディング担当者やマーケティング担当者、あるいは自社の経営理念に違和感を持つビジネスパーソンすべてに贈る、「ブランディング論」の新たな指針!
目次:
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第1章 こうして労働者はブランドの僕(しもべ)になった
- 強者の歴史としての「ブランド」
- 受動化する労働者
- 「支配」に加担するブランディング理論
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第2章 「ブランド」は誰のもの?「中動態」から読み解く
- 中動態とは何か
- 能動/受動モデルからの脱却 - 他領域にみる中動態的動向
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中動態的ブランディングモデル
- 【コラム】当事者ブランディング事例 - Enter the E株式会社
- 【コラム】当事者ブランディング事例 - 株式会社あを
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第3章 当事者ブランディングの実践に向けて
- 「当事者ブランディング」の準備、四つの再確認
- 「当事者ブランディング」の心得
- 「私」から始めるということ
- おわりに
- 謝辞
- あとがき
書名『当事者ブランディング ブランドは誰のもの?中動態から読み解く』、 Amazon Services International
LLC、Kindle版:税込1,200円、ペーパーバック版(183ページ):税込1,650円。著者 岩林 誠 発売日2023年11月24日
当事者ブランディング: ブランドは誰のもの?中動態から読み解く | 岩林誠 | 経営学 | Kindleストア | Amazon