DFメンバーズサロン「E-Column」は、猛威をふるっているコロナに纏わる話題や四方山話のコラムです。
このコラムで使っているキャラクターの「アマビヱ」は、日本に伝わる半人半魚の妖怪。光輝く姿で海中から現れ、この先6年間の豊作を予言するとともに、「病気が流行することがあれば、私の姿を絵に描いて人々に見せよ」と告げたとされています。今や厚労省も「#アマビエ」をモチーフに啓発活動を行っています。「E-Column」は「アマビヱの絵」の代わりに、会員の皆さんからの投稿を掲載し、コロナ禍の1日も早い終息を願っています。
もう一つのキャラクター、左右の「カエル」は、お互いに声掛け合って励まし合う鳥獣戯画。1日も早く元の生活に「カエル」られるよう、頑張ってまいりましょう。
「コロナ対応の工夫」「日頃の想い」などなど、500字以内(厳守)でメールにてお寄せください〈sannou@directforce.org〉。掲載は随時。ご投稿をお待ちしています。
(敬称略 はクリック拡大可)
2021/12/15(No.183)
近藤 勝重(115)
毎年、師走に買い替える。
写真の左側の使い古しが今年、右が来年用。
これから来年の手帳に予定を書いていくことになる。
帰宅後、開いてみたらメーカーからの以下のメモが入っていた。
「予定は希望だ。」
誰かと会う。どこかへ行く。
何かを始める。
どんなにささやかな予定でも、
目線は少し未来へ向かう。
暗闇に小さな灯を見つけるように。
一年先はわからない。
でも小さな光で道を照らしていけば、
必ず前へ進んでいける。
【能率手帳】
なんと素晴らしいメッセージかと感心した。手帳はリズムを刻み、人との絆を繋ぎ、財産でもある。希望を生むならまさに命と言ってもよい。来年の手帳に予定を書く勇気が湧いてきた。
先輩会員から聞いた言葉。シニアには教育と教養が必要だ。すなわち今日行くところがある、今日用がある、だ。DFは皆さんの予定づくりに貢献できる団体だ。
(理事 広報・20周年担当 彩遊会 355字 )
2021/12/11(No.182)
段谷 芳彦(740)
先頃DFの仕事で、私の生まれ育った故郷出雲地方にある、島根県の雲南市に行ってきた。ここは中国山地の奥深い山間に位置し、日本古来の製鉄技法「たたら製鉄」発祥の地として知られている。
仕事の後、地元の方に勧められていた「出雲大社正式参拝」に向けて出発。昔は出雲神話に出てくる「ヤマタノオロチ伝説」のある
参拝の後、5年前に遷宮をした新本殿を間近に仰ぎ見ながら、出雲大社の歴史をお聞きした。7世紀以前に創建されたと伝えられる本殿は当時の高さが実に47m以上あり、日本最大の建造物であった。どんな方法で建造されたか、今以って解明されていないとのことである。
本殿の周りはやはり荘厳な“気”に満ちており、実に穏やかな心持ちになった。
訪れた頃、現地は「神在月」で全国の神々が出雲に集まっているとのこと。
(代表理事 ワイン同好会 498字 )
2021/12/8(No.181)
小林慎一郎(1017)
リモート交流で不規則な生活に陥らないように、何時に寝ても、毎朝6時半のNHKのラジオ体操までには起きるようにしている。丁度、その時間帯が、この時期の日の出となることに、秋の深まりを感じている。
朝冷えの日の出南に急ぎ行く
ベランダから望むスカイツリーを横切る太陽を日を追って撮影した。冬至に向けて、日の出の位置が日ごとに南に移動することによりスカイツリーに刺さる太陽が天辺から根元に。
柿実り春待つ双葉はや育つ
ナイフを入れたら種が真二つに。小学校の時に習った教科書通りの姿を見て、生物の営みの奥深さに感動。一方で自然界なら動物にそのまま運ばれて、新しい生命が生まれるべきところ、人間が道具を使うことを覚えたために、種が生かされないことは悲しい。
中山道落ち葉の絨毯踏み行きて
中山道と言っても、文京区白山付近の散歩。落葉を集め、黄色いバラに変身させてみた。腐葉土になり循環されるべき落ち葉が都会ではゴミ焼却場に行くのは残念。他県に頼らず、都内で小規模バイオマス発電の原料にはならないか。
(リモート交流推進室 理科実験G 438字)
2021/12/2(No.180)
近藤 勝重(115)
11月中旬から12月にかけて、テレビでは京都からの紅葉ライトアップ中継が各局で放映される。どうも紅葉と中継のタイミングがずれて、鮮やかな色が出ていないのが残念だ。
昼間のビデオ映像は美しい。真っ赤な紅葉もいいのだが、京都人の私としては、紅葉は3回の楽しみ方があるといいたい。最初は緑・黄色・赤の3色模様の時期、次に紅葉満開がくる。最後に落ち葉となって風に舞い、苔の庭園に敷きつめられる絶景の別世界が出現する。
この三つの美を一つに描き留めておこうとしたのが掲載の自作画だ。竹林に舞う形でシンプル化しているが京都らしさを味わっていただけると思う。
この絵は、知人の経営者に贈呈して手元にはないので、季節が来ればPC画面で自作を鑑賞している。
(理事 広報・20周年担当 彩遊会 315字 )
2021/11/28(No.179)
戸田 邦男(288)
2020年2月ブラジル人学校での理科実験を最後に、コロナ禍のため予定していた計画がすべてキャンセルになった。そんな中、同年6月のテーマ委員会で「浮力」の実験テーマを提案したところ皆さんから賛同の声をいただいた。
その後、白内障の手術で入院、ベットの中で時間があり、浮力実験のストーリを考えた。子供たちの素朴な疑問、不思議だと感じていることを実験で確かめる。観察するだけでなく、データを使って調べる内容にする。実験に使う道具を作る工作を入れる。これを基本に、検討会議を6回実施し、10か月後に開発メンバー9人それぞれの協力で完成できた。この10か月間は本当に楽しかった。このテーマで、更に子供たちが理科に興味を持ち、好きになることを願っている。
材料を持ち込んでの最終段階の検討会(ほとんどの検討会議はズームで行った)
「科学」という言葉は、西洋では物理学、化学、生物学、鉱物学という対象毎の科目に分かれていて、これが日本に伝わると科学という言葉になり、さらに学校で習う科目として「理科」となったそうだ。
理科の知識が世の中にどう生かされているかを知れば、誰でも興味が湧いてくるのではないか。そこで実験、観察することを実体験してもらう。楽しくて素晴らしい活動だと自画自賛しています。
(副代表 理科実験G 500字)
2021/11/20(No.178)
小林慎一郎(1017)
コロナ禍の終息を願って健康増進も兼ね、1日5670歩以上歩くように心掛けている。この程度なら気軽に続けられる範囲の5670歩(コロナゼロ)と掛けている。
自宅の西巣鴨駅前出発、大正大学構内の
アカデミー勉強会の江戸東京街歩きが10回で中断。そろそろ、復活を願っている。
① お岩さんの妙行寺前を行く都電 ② とげぬき地蔵高岩寺 ③ 綱吉から赤門を賜った揔禅寺 ④ 江戸六地蔵眞性寺 ⑤ 板橋宿入口庚申堂 ⑥ 江戸三大閻魔善養寺 ⑦ 大正大学構内鴨台観音さざえ堂 ⑧ 旧中山道地蔵通り
(リモート交流推進室 理科実験G 401字)
2021/11/14(No.177)
濱名 均(734)
今から4年前の2017年12月にDF企業ガバナンス小研究会に「企業文化の研究、― 東芝と日立を比較して ー」という研究会に富沢メンター以下9名のDF会員が参集した。小生は終盤の文章作成段階でリタイア―を申し出た。しかしリーダーを務める西村二郎さんから、「濱名さんは我々に持っていない切り口を有するので続けて欲しい」と、半ばおだてられて踏みとどまった。そして8ページを割いて第1章「企業文化とは」の脱稿に漕ぎつけた。その最終ページに、「それとも東証コード6502を守る事が唯一の目的で『身を捨てて名を取る』行動に移るのか、その場合は持ち株会社への移行ということも視野に入ってくるであろう」と結んでいる*。東芝3分割は持ち株会社の変形ではあるが、予測はズバリ的中した。
(左:JR川崎営に近接する「東芝 スマートコミュニティセンター」 右:東芝3社分割案)
この時の企業ガバナンス小研究会への参加は、小生のDFでの本格的な執筆活動のスタートでもあった。メンバー間の切磋琢磨が、上記のような的確な予測を紙面に残すことも可能にしたのである。一人ではとても到達でき得なかった第1章の寄稿でもある。仲間とのいわば「衆力」に乗っかって成し得たことである。懐かしい思い出である。
(企業ガバナンス部会 484字)
* ➡ 企業ガバナンス小研究会で発表された、Aグループの研究報告書はこちらからご覧ください。2021/11/2(No.176)
横山 英樹(1143)
11月2日朝、ヘリコプターが賑やかだな、と思ったら、吉祥寺の街中で道路陥没でした。視察?に行きましたが、テレビカメラと野次馬でいっぱいでした(私もそうですが)。場所は東急デパートに北面した路地です。
そういえば何年か前には、東急デパートの駐車場から出た車が、向いの歩道に突っ込む事故がありました。ご老人の踏み間違い。更に前ですが、そのすぐそばの幼稚園の前で女子学生が刺殺される事件もありました。ゲームセンターで使う金欲しさの犯行でした。ニュースで見るような事件、案外身近で起きるものです。京王線の事件も、国領の駅はよく車で通るので他人事でない感じがしました。事件に巻き込まれるのは、運、かもしれませんが、自分の機敏さが失われる中で、周囲に目を配って危険予知に努めなければ、と思う次第です。
(アカデミー本部 344字 写真:横山さん撮影 地図:Apple Map)
2021/10/27(No.175)
近藤 勝重(115)
先ずは、日本の最新テーマから。1200兆円に上る国債発行=国の借金、企業の内部留保は400兆円、家計の金融資産は1950兆円。高齢者数 男1573万人 女2044万人で高齢者比率は総人口の29%。人口は減少するのに大学数は788校。私学は8割へ。増えつつある空家数は846万個、総戸数の16%。成長なき日本の姿。国際競争力は30位以下へ。
コロナで米余り、一次産業では様々な増加問題が。耕作放棄地、森林の劣化、山林の地盤のゆるみ。何より怖いのが太平洋プレートの蓄積エネルギー。日本だけでも「時限爆弾」の上に住んでいるようだ。
世界を見れば。最大テーマは、温室効果ガスの増加。廃プラスチックごみ。貧困者の増加、一方で超富裕層の資産の益々の増加。水不足で亡くなる子供の増加。世界の投資マネーも増加の一方。そして益々増え続ける大量の電子データごみ、そのためにGAFAは世界中にデータセンターを増設し続ける。何から何まで半導体が内蔵される時代で、身の回りは半導体だらけ。世界中で地政学的リスクが。台湾海峡危機はどんどん蓄積へ。ひいては「おいしい空気と水」の危機が続くことになる。
(理事 広報・20周年担当 彩遊会 483字 写真:日本晴れを背景に銘酒「うっぷんばらし」)
2021/10/26(No.174)
小林慎一郎(1017)
コロナ禍を機に教育機関も、授業講義のあり方を模索していましたが、近頃ようやくオンデマンドとオンラインに集約されつつあります。オンデマンドとは講師が講義内容を動画にして学生に配布し、適当な時間に見てもらう方式です。一方、オンラインは講師がスタジオでの講義を自宅にいる学生にリアルタイムで聞かせる方式です。最近はコロナ収束に向けて、希望する学生を教室で講義しつつ、登校しない学生にはリモートで聞く方式も増えています。問題点の一つは学生相互の交流で探究が深まらないことです。また、理系学部にとっては、実験が出来ないこともあります。おもしろい例としては、慶応義塾大学理工学部の教授が助手にわざと間違ったオンライン実験をさせて、学生に誤りを指摘させることで、臨場感を出しているとのこと。DF理科実験でも講師とは別の場所で生徒に実験してもらい、講師がリモートで指導するオンライン授業を試験的に実施しています。賛否両論ありますが、今後、コロナ終息後も遠隔地などに対して応用できるかもしれません。
「理科実験Gを含め、DFの教育部隊もコロナに打ち勝っています」
(リモート交流推進室 理科実験G 440字)
2021/10/23(No.173)
岩佐 俊明(1323)
現在、日本人成人の約80%が歯周病に罹患していますが、その歯周病と全身疾患(認知症、糖尿病、嚥下性肺炎、脳梗塞、心筋梗塞、癌、骨粗しょう症、低体重児出産、早産、リウマチなど)との関係がいろいろ分かってきました。歯周病予防のために適切な口腔ケアをすることが重要です。また、口腔ケアすることにより、ウィルス感染を抑えることも以前から言われています。
コロナ禍、ポストコロナにおいても、感染防御のため、きちんと口腔ケアすることをお勧めします。ただ単に歯を磨いているから良いのではありません。「磨いている」と「磨けている」とは違います。定期的に歯科医院を受診して、口腔内のチェックをしてもらいましょう。寝る前の歯磨きは重要です。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやワンタフト歯ブラシ、デンタルフロスなどの補助用具も利用しましょう。就寝前の洗口剤の使用も肝要です。家族で、1つのコップの中にみんなの歯ブラシを一緒に入れることや、歯磨き粉の使い回しも避けましょう。
飲みこむ力を保つため、のどや舌の筋力をつける運動や、唾液腺マッサージなど「健口体操」を行い、口腔機能の低下を防ぎ、気持ちよくポストコロナを迎えましょう!
(健康・医療研究会 映画/麻雀/日本酒同好会 歯科医 499字 toshiaki-iwasa@hotmail.com)
2021/10/20(No.172)
江村 泰一(1060)
今年のノーベル物理学賞を真鍋叔郎氏が受賞することとなった。
受賞の記者会見で真鍋氏は、(日本に帰りたくない一つの理由として)「私は他の人と調和的に生活することができないから」と述べ、会場から笑いが起こった、と報道されている。当初真鍋氏が渡米、アメリカ国籍を取得し、日本に帰国しないことに対し、ヤフーなどのコメントでは、日本もこうした研究に予算をつけないから頭脳流出が起こる、との声が多かったが、どうもそうしたことだけでもなさそうである。
コロナにも見られるように、近年こうした「調和的に生活する」→「同調圧力」「大勢の意見に反することが許されない」傾向はますます強くなっていると感じる。一方では、SNSでのちょっとした失言での炎上騒ぎ(自殺に発展している例もある)、小室さん騒動、池袋事故での加害者たたき、等の有名人をたたいて溜飲を下げている傾向が強まっているとの感も持つ。
日本人は変質しているのだろうか。閉塞感が高まっているのだろうか。あるいは閉じこもり志向が益々高まっているのだろうか。「もっと外向け志向を」というのは簡単だが、あまり効力はなさそうである。
(健康医療研究会代表世話役 478字)
2021/10/19(No.171)
平井 隆一(1022)
過日、埼玉県本庄市にある「大恩寺」にティック・タム・チー尼を訪ねました。彼女は20年前に仏教の勉強で来日し、「日新窟*」での修業を経て、3年前にこのお寺に移って住職をされています。「大恩寺」は近年話題になっている困窮したベトナム人技能実習生や留学生の駆け込み寺として、昨年12月にNHKの「クローズアップ現代」に採り上げられ一躍有名になったお寺です。ピーク時は80人以上のベトナム人が逗留していましたが、そのNHKの報道がきっかけで全国から支援の手が差し延べられ、151トンのお米が寄付されたそうです。そして祭壇には、不本意ながら日本で命を落としたベトナムの若者の位牌が100柱以上、遺骨も2つ安置されていました。この事実から、在日外国人の若者が日本での目的を全うするための環境整備が喫緊の課題だと強く思いました。
私をお寺に連れて行って下さった「ベトナムが第2の故郷」と仰る81歳の方は、ベトナム各地の都市計画に長年関わって来て、私が仕事で長期に滞在した地方都市の拡張計画を造ったとのご縁から繋がったものです。人と人の縁は不思議なもので、出会いの大切さを肝に銘じました。
(副代表 企業ガバナンスG 484字)
*日新窟:芝・増上寺の門前に建立された学寮を母体とするお寺。ベトナム人留学生や研修生、技能実習生の支援を行っている。
2021/10/17(No.168)
近藤 勝重(115)
画家や文筆家は雅号やペンネームを用いる。そこに面白い傾向が出てくる。
有名なのは日本画の大家の「山」を入れた雅号である。始まりは京都画壇の始祖、円山応挙だ。横山大観・東山魁夷・平山郁夫・杉山寧・高山辰雄で五山と言われ、近代日本画の巨峰を形成している。他には加山又造もいる。
「舟」も面白い。古くは水墨画の雪舟・勝海舟・山岡鉄舟・
「水」も個性的だ。明治を代表する版画家
今は便利な時代だ。Googleで名前・水といれればその特集のページが既にあり、居ながらにして知識を得ることが出来る。「海」が入った名前も画家にはある。日本は豊かな自然に囲まれており、雅号にその気宇を取り込む風雅さは私には日本画の魅力を高める要素の一つになっているのではと思える。
(理事 事務局 彩遊会 301字)
2021/9/24(No.169)
濱名 均(734)
筆者は2つの大企業組織を体験した後に、経産省系の財団法人に16年間在籍した経験がある。理事とその後の参与職を計9年間受け持ったというおまけ付である。そこから看たいわゆるキャリア官僚の生態の一側面を批判的にえぐり出してみたいと思う。官僚の花形である課長補佐時代は世の中に大きくアンテナを張っていて「世の中の優れた発信をキャッチする情報力」を持っている。残念なのはそれを「自分の出世との関係のみ」で捉えるという習性とそうせざるを得ない官僚組織の体質がある。
官僚は国の公僕なのだから、課長補佐時代にピックアップした課題は在籍3~4年のポジションを去ってからも次へ引き継いで欲しいものである。引き継いだ者も自分のみの出世だけではなく社会や国という意識で継承して欲しい。しかし現実のキャリア官僚の生態は、前任者のやってきたことを否定して自分のカラーを出していくことが多い。ごくわずかな人が前任者の課題を引き継ぎ大輪の花を咲かせる。その場合は英雄扱いされる。在野の企業ではごく当たり前に「黙々と継承していく」ことなのだが。ポストバブル経済後の失われた30年を引きずっている原因の一つである。
(企業ガバナンス部会 500字)
*編集註「脚下照顧」:自分の足元をよくよく見よという意。もと禅家の語で、他に向かって悟りを追求せず、まず自分の本性をよく見つめよという戒めの語。(三省堂 新明解四字熟語辞典より抜粋)2021/9/23(No.168)
近藤 勝重(115)
秋の連休、敬老の日に童心に帰って栗拾いをした。一人は木に登り枝をゆする役、岡村正郎さんと私は下で落ちてくるトゲある実を避けながら栗拾い。
写真のごとく大漁で、文字どおり3人で山分けした。どこの木かというと、家庭菜園で借りている近くの山で、もとはクリ畑だったところだ。
トゲある殻から中身を取り出す作業と、家に帰ってからは水にさらし、ゆでるという作業が続く。栗の実はゆでると淡い黄色になるが、ちょうど中秋の名月の色との取り合わせが不思議だ。触発されてグリーンショップで栗の苗木を買ってしまった。庭の片隅に植えたのだが桃クリ3年ということで3年後が楽しみだ。今から植える庭の木は成長と自分の寿命との競争となる。
(理事 事務局 彩遊会 301字)
2021/09/05(No.167)
平尾 光司(1190)
表題は有名なゲーテの臨終の言葉であるが本稿は太陽光発電のことである。
10年前に固定価格買い取り制度が導入された時に自宅の屋根に太陽光発電パネルを設置した。真夏の晴天日には最大出力は5kwhになることもある。8年間の累積発電量は6万kwhを越えて電力自給率は140%を超えている。放射能も温暖化ガスも排出しない生活に満足し、発電モニターのパネル(写真)をみて発電量の確認を日課にして楽しんでいる。また自給率を高めるためにこまめに節電に心がけるようになったことも思わぬ効果であった。
最近発表された政府目標では2030年度までに温暖化ガスの排出量を46%以上削減することになっている。この目標を実現するためには発電量の2割を太陽光で賄う必要があるという。現在は7%である。太陽光発電は天候によって発電量が左右される、夜間の発電ができない、発電パネルを設置する場所が少ない、送電網の接続コストなどの問題点が指摘されている。発電量の不安定は蓄電池の設置で解決できる。また設置場所は住宅、工場、ビルの屋根、壁面の利用などが考えられる。セブン・イレブンは全店舗の屋上に太陽光発電パネルを設置するという。歓迎したい。(496字 理事)
2021/8/29(No.166)
菅原 信夫(1150)
7月24日から8月5日まで、江ノ島ヨットハーバーで行われたセーリング競技のボランティアをしました。仕事は選手とマスコミの間をつなぐ露語通訳業務がメインでしたが、2つの理由で私の出番はほとんどありませんでした。①ROC*は、10クラスあったメダルレースで3位までにはいることはできず、通訳が必要となるようなインタビューはゼロだったこと。②ロシア選手は全員英語が上手で、英米系のジャーナリストとは英語で問題なく会話できたこと。
通訳の仕事がほとんどない私は、黙々と会場から会場へと椅子を運んだり、記者会見場でのテレビカメラの操作を任されたり、本来の仕事とはまったく違う肉体労働に従事するはめに。こうなると、当然若い人の機敏な動き、筋力には負けるわけで、リーダーからは「菅原さん、大丈夫ですか、歩けますか」とよちよち歩く私への檄が飛びます。これなら、却ってボランティア募集時に年齢制限をかけてもらう方がどんなに楽か。嬉々として次のボランティア情報を交換し合う若いメンバーを横目にみながら、つくづくオリンピックは若い人の祭典だと思いました。斯くして私の夏は終了。哀愁漂う江ノ島を後にしました。
(企業支援本部 DF鎌倉支部 ロシア研究会 映画同好会 ワイン同好会 490字
〈参照〉前回のコラムはこちら(159)*ROC:ロシアオリンピック委員会派遣選手
)
2021/8/25(No.165)
濱名 均(734)
アメリカ合衆国は仮想敵国を民主主義国家の対極にある専制主義国家と位置付けている。それが彼らの覇権国家戦略である。今日中国に対して公式には「唯一の競争国」という表現にとどめているが。古来孫子の兵法では戦わずして勝つのが最上の勝利としている。剣禅一如を説く柳生但馬守宗矩の柳生新陰流の極意も同じである。両者は似て非なるものであるが、言葉という概念上同一のものとして捉えていくのがよかろう。
何故なら「言葉は存在の棲みかである」(ハイデッカー:ドイツの哲学者)というカント哲学以来の真理に従うものである。
今や唯一の競争国・中国に対して情報戦の応酬、英仏等西側諸国の軍事力を結集しての軍事訓練・デモンストレーションなど、その手法は孫子の兵法さながらである。しかし最初に孫子の兵法を駆使してアメリカで謀略作戦・スパイ作戦を展開したのは中国であった。しかしである、米中いずれも巨大な相手国の政治・文化体制を「力」で凌ぐことはできないであろう。他方アヘン戦争のトラウマが中国共産党政権にはある。ペンス副大統領のハドソン研究所演説では、この時米国は加担しなかったと述べている。演説を読み解く際の核心の一つである。
(企業ガバナンス部会 497字)
2021/8/18(No.164)
寺崎 志野(548)
DF写真同好会に入会時、一眼レフカメラを購入。初心者向け、CANON KISS5。先輩方の後について撮影の真似事をしてきた。コロナで活動が休止。桜を映そうとカメラを手にしたらレンズが回らない。先生方のご意見を拝聴、いっそ「SONYミラーレスでしょ」のお言葉。ネット検索すると、本体だけでも10万円から100万円!。レンズも同様、ピンキリ!。私如きがそんなに高価なカメラを手にするのは、「猫に小判」「豚に真珠」の喩え通り、と後退りしたところ、某氏のツルの一声「貴女にはアクセサリーでしょ」に、清水の舞台から飛び降りる。7月、ソニーショップに座込み、一式買い求めた。店員のお勧めに従うだけだったが、大仕事でした。
ソニー主催の初心者講座を複数受講中。目から鱗が落ちる如く沢山勉強した。講座受講後、早速カメラを肩に街へ!と思いきや、あれこれ勉強中でカメラ実戦はこれから。
実戦の前に買いモノ脳が刺激され、ファッショングッズ一式も買ってしまった。冬場の撮影会向けの、ダウン、セーター、パンツ、そしてスニーカーまで!。清水の舞台をもう一度飛び降りた。やっぱり私には、カメラもアクセサリー。
(映画・写真・蕎麦打ち・ワイン同好会 487字)
2021/7/23(No.163)
見目 久美子(1334)
数年前のこと。日曜の早朝何気なくテレビをつけると素敵な出会いがありました。番組名は「こころの時代」(NHK教育)。境野勝悟氏とインタビュアー金光寿郎氏(2020年没)の対談でした。
日本人とは何か、君が代の出典(平安時代の恋文)、こんにちはやさようならの意味、など当り前のようで知らないことばかりで特に印象深かったのは、おかあさん・おとうさんの語源でした。おかあさんの語源はカカ・カアカアで太陽のこと。おとうさんは、トト・トウトウで尊い人のこと。古代から日本の家庭では、夫婦が「私の太陽」「大切な人」と呼び合っていたと思うと、ほっこり心が温かく嬉しくなりました。
境野氏は私立栄光学園で教鞭を執り40歳の時に退職。生きる道を学ぶ「道塾」を大磯に設立し約20年間青少年教育に勤しみ、現在も講演・執筆活動中です。番組で紹介された著書「日本のこころの教育」は花巻東高校での講演録で、2時間の講演中全校生徒700人が聞き入ったとのこと。若い世代も自分たちの起源や生きる道に興味があること、しかし知る機会が少ないことを感じました。
余談ですが、現在メジャーリーグで大活躍の大谷翔平、菊池雄星は花巻東高校の出身です。
(授業支援の会 観光立国研究会 499字)
2021/7/29(No.162)
濱名 均(734)
最澄と天台宗を線で結んで理解する。これが我々のやってきた日本史の理解である。そこには法華経を中心経典とした視点が抜けている。それが有れば、小中高校を通じてもっと生きた日本史を学ぶ視座が形成されたはずである。また地理においても、ビートの生産量日本一と帯広を線で結んで正解とする試験問題がある。重要なのはビート畑を見て肌で大地と産業・地理を理解することであったはずである。大学の教養課程でも上記の域を出ないならばさらに残念ではある。残念ながら現実には、かような知識偏重がやがて霞が関の
高等学校2年生の時、現代国語の授業で北村
(企業ガバナンス部会 491字)
2021/7/23(No.161)
近藤 勝重(115)
7月、今年は巡行なしで鉾だけが建てられ宵山のあった京都での法事に合わせ、大津へ足を延ばした。子供のころに行ったはずだが記憶の無い三井寺に行ってみた。
この寺は円城寺と言い、天台門宗総本山で延暦寺と関係が深い。西国33ヵ所の14番目で日本最古の巡礼道とあり、弁慶の引きずり鐘で有名だ。境内は広くよくロケに使われる。この日もフェラーリの展示会に遭遇した。最新モデルが古刹にマッチし、良い写真が撮れた。
三井寺の山の下には、京都までの琵琶湖疎水が通っている。明治23年に開通し、京都の蹴上に通じて水力発電や水陸運送に貢献した。南禅寺の水路閣も有名だ。
写真でご覧のとおり琵琶湖から流れていく水路は春には桜の名所となる美しい風景だ。
日本の近代化のロマンを感じる場所の一つと言える。
36度の猛暑日、一度来てみたいと思っていた場所なので有意義な大津体験となった。
(理事 事務局 彩遊会 372字)
2021/7/19(No.160)
小林慎一郎(1017)
聖火リレーの開始に合わせて3月からスカイツリーが、その日に通過する都道府県のカラーにライトアップされていることはご存知でしょうか。緊急事態宣言で20時には消灯されるのですが、空気が澄んできれいな時を狙って、我が家のベランダから遠目に望遠で撮影しています。県の旗の色またはその県の市町村がホストになって誘致する予定の国の旗の配色だそうです。
(リモート交流推進室 169字)
2021/7/12(No.159)
菅原 信夫(1150)
2018年、ロシアで行われたサッカーW杯で、たまたまモスクワにいて1試合観戦しましたが、印象に残ったのは町中に展開するボランティア。どんな小さな案内ブースにもリーダーがいて、彼の指示のもとテキパキと働く大学生ボランティアを見ていると、そんな体験も悪くないとの考えが芽生えた次第。
1年後の2019年秋、東京2020のボランティア募集がスタート。何をやるのかわからぬうちに研修や試験を受けたものの、オリンピックは1年延期。今年に入ってから江ノ島のセーリング競技でのランゲージサービスという役割が決まり、6月末に行われた第1回目の現地研修に参加。英/露/日という通訳は、私ともう1名ロシア人女性。2人が競技日程全期間を担当する、というので、これは大変なことになったと思ったが、ロシア選手団は来日しないので、あまりロシア語需要はないでしょう、との職員のお話し。
案内されたヨットハーバーには、昨年末あたりから各国選手団の競技艇が収納されたコンテナがずらりと並んでいたそうです。ロシア語需要はないとしても、英語需要はあるようで、まずは7月13日大磯プリンスホテルでの選手サポートから本番の開始です。
(企業支援本部 授業支援の会 DF鎌倉支部 ロシア研究会 映画同好会 ワイン同好会 496字)
2021/7/10(No.158)
濱名 均(734)
新型コロナウイルス対策として「ワクチン接種」が現在、国を挙げて行われている。国の指揮下で地方自治体によるワクチン接種の戦略・実行がなされてきた。そして職域での接種という新たな手法が導入された。その両者を比較してみると、職域の方が人々の協力実行体制、効率性はかなり上の様な気がしている。その後統括すべき官僚組織のふがいなさを見せつけられてはいるが。
拙稿のメンバーズ・エッセー(No.328)の中で、ポストコロナ禍においては、「人々の心を支え合う国家ビジョン」なり「地域社会や企業といった中間組織で支え合う共同体」が必要となるだろうと書かせていただいた。企業を共同体再生の要の一つと位置付けたが、この件では的を得た感じがしている。
我が恩師の一人である故名東孝二経済学博士は、「企業組織こそは身近に現存する最強の組織体である」と看破したのであった。企業と企業人は単なる金儲けのための人々の集まりだけではないという信念を私は持っている。例えばESGという概念があるが、経営体にリンクさせて実効性を持たせる為にESG投資という言葉が使われた。しかし経世済民を離れての投資は虚しいものであるのも現実である。
(企業ガバナンス部会 497字)
2021/7/7(No.157)
梅本 邦彦(1293)
多士済々なDFの会員の中には、弓道の達人が居て、見てもらえるのではないかとの期待をこめて書いてます。
64歳で始めた弓道、コロナ禍でなかなか自由にできない時期が続いていますが、現在67歳で弍段です。弓道は、28m離れた直径38cmの的に当てる、言ってみれば単純な競技ですが、昔からの言い伝えを元にした射の技術が細かく伝承されており、とても奥が深いものです。
良い点は、シニアになってからでも始められる、最初道具を揃えるのにお金がかかるが、稽古をするにはあまりお金がかからない、道場では良い射をするために集中でき、しばし世俗を忘れられる、弓道場には地元の人が来るので、地元の知り合いが増えるなどなど、100歳を目指すシニアにはうってつけのものだと思います。射法八節と言う射のポイントを8つに分けて説明されていて、「足踏み、胴作り、弓構え、打起し、引分け、
(企業支援グループ 494字)
2021/7/3(No.156)
近藤 勝重(115)
夏野菜は5月に植え付けが始まり、早いものは6月にも収穫ができる。
豊富な日光と降雨によりあっという間に成長する。色も鮮やかで野菜が光る。
地上で上に伸びていく生命力旺盛な植物だ。
トマト・キュウリ・ナス・ピーマンなど、写真で見るとおりだ。
皮がしっかりしていてコリコリという食感のものが多い。成長が速いため、手間もかかる。水やり、脇芽かき、追肥、風通しを良くするための下葉の整理、1週間と間を空けられない。3日ごとという感じで追いまくられる。目が離せないのは育児と同じで忙しい。
一方、冬野菜は秋に植え付けして一冬を超す。4か月・5か月かけて、じっと地面の下だ。肥料は少なくてよい。色も白色系で時間をかけてほのかな甘みを蓄えていく。地上の葉も大きくなり、地下の栄養素も取り込んで大きく膨らんでいく。ダイコン、タマネギ、ネギ、ジャガイモなど夏野菜の食感とは異なるところが面白い。掘り出して開けてびっくりの喜びがある。一冬冬眠で、じっと待っていればよく、大器晩成型と言えよう。味もじわっと染み出す感じか。
若いときは夏野菜型、人生後半は冬野菜型で行こうか。
(理事 事務局 彩遊会 470字)
2021/6/27(No.155)
小林慎一郎(1017)
来週(7/4)から始まる2年ぶりの名古屋場所を前にして、五月場所で照ノ富士が優勝したことを思い出した。体が大きく、力が強いだけのやんちゃな青年が怪我をして、序の口まで番付を下げ、そこから努力して、心身を磨き、大関に復帰したことは素晴らしい。先場所、12日目と14日目は微妙な判定で負けとなったが、行司や審判に不満を漏らさず、自分の技が至らなかったと反省の弁を述べたことは精神的な成長の跡がうかがわれ、高位の力士の地位にふさわしく、好感が持てた。
かの両日の判定の折、審判長は照ノ富士の師匠の伊勢ケ浜親方であったが、むしろ厳しすぎると思われる判定を下した。世界のスポーツ界で選手と同国の審判が判定に加わることは稀である。やはり、身内贔屓になるからである。大相撲では審判が身内を贔屓することなく、公正に判断できる風土がある。まさに日本人の倫理観の高さの証しであり、相撲が国技と言われるにふさわしく、誇らしいことと感じた。今場所を楽しみにしたい。
◇ ◇ ◇
※余談ですが照ノ富士は中学生の時、モンゴルの数学オリンピックで金メダルを取ったそうです。図は、子供向けの算数オリンピックの出題例です。解いてみてください。(リモート交流推進室 496字 回答はこちら)
2021/6/18(No.154)
濱名 均(734)
西欧諸国はマーシャルプランで復興し米国の傘下へ入った。日本もマッカーサー占領支配を経て復興を果たし、その後日米同盟を築いている。米国人からみると、ニクソン政権以降大胆な市場開放を行い、中国に大きな経済成長をもたらしたにも拘らず中国のみが、米国の意向に沿っていない。
2012年11月の「中華民族の偉大なる復興」(中国の夢)の戦略に対して、米国はややヒステリー気味になっていた。そこへトランプ政権というナショナリズムを指向した政権ができ、関税を中心とした自国経済優先政策に舵を切った。そして2018年10月に「ハドソン研究所でのペンス副大統領の演説」が行われた。日本にとってこの演説の核心解明が最重要である。単純に中国批判で終わってはいない。
現在と未来の中国政府(民衆)にとっては、欧米のグローバリズム政権と組むのか、それともトランプの復権や欧州はじめ世界の民族主義(仏のル・ペン政党のような)の高揚を考慮に入れた新たな民主的な世界政策(それこそが中国の覇権国家挑戦への道)を執る用意・覚悟があるのか、ルールを尊重し相互に相手国を認める覇道ではない王道をとる「国家・民族としての器量」を獲得し得るのかがポイントである。
(企業ガバナンス部会 500字)
2021/6/13(No.154)
小林慎一郎(1017)
コロナ感染を避け、通勤時間帯をずらしているので、朝の時間に余裕ができ、一念発起して、朝食に卵料理を作り始めました。生まれて初めての70の手習いです。その話をしたところ、近藤さんが自家菜園のジャガイモをわけてくれました。写真の目玉焼きが、その成果です。栽培者の顔を思い浮かべながら、新鮮で大変おいしく頂きました。
その他、卵料理はフレンチトースト、スクランブル、ポーチドエッグ、エッグベネディクトはマスター?しましたが、オムレツは何回やっても、どうしても満足していません。
ところで、理科実験では生徒には科学に親しみを持ってもらうために、実験と料理は同じだと説明しています。道具と材料は全部揃えてから始めること、火や油は安全に扱うこと、後片付けまできちんとやること。生徒に教えている手前、私も、朝食の皿洗いだけは家内に頼まないようにしています。(リモート交流推進室 369字)
2021/6/10(No.152)
近藤 勝重(115)
5月は収穫の多い時期でした。
写真の通り、美しい丘(横浜市青葉区)の麓に私の家庭菜園(30平米)があります。近くには事務局の岡村正郎さんの菜園(60平米)もあります。
近藤菜園には、手前に新玉ネギ、奥には新ジャガが育ちました。
写真左から、家庭菜園のある丘、我が家の菜園、収穫した新玉ネギ
リモート交流推進室長の小林慎一郎さんがジャガイモ料理を作ったと聞き、早速我が菜園の新ジャガをお裾分けしたところ、小林宅朝食の写真が送られてきました。本当に美味しそうにお料理をされています。
家庭菜園は少しだけ多めに栽培し、知人や家族に食べてもらうのも楽しみです。
今は、トマト(大玉・中玉・ミニ)・キュウリ・ナス・ピーマン・しし唐、そして秋に向けてサツマイモの植え付けを終え、家庭菜園の最も忙しい季節に入ります。
(理事 事務局 彩遊会 332字)
2021/6/6(No.151)
濱名 均(734)
アメリカ合衆国の中国問題はアメリカの国内問題でもある。逆も真なりである。またリーマンショックでの世界経済への対応では、中国の役割・貢献度は大きかったと言わざるを得ない。この点では西側資本主義諸国は中国に対して借りを作ったと言えるだろう。同時にその後、中国の世界での存在感が格段に増しているのも事実である。
現在最も注視すべき米中関係は、地球温暖化対策の国際枠組「パリ協定」での、行動と価値観の共有であろう。これが米中両国を流れる地下水路であり、いずれ本流となって表の国際社会での歩み寄りを担保していく。中国は世界の工場となった以上、貿易を通じて市場を確保することが至上命題である。中国なりの民主化を導入して世界の国々と価値観を擦り合わせることが有効で平和的・建設的な世界戦略である。
2015年歴史的なパリ協定の採択を祝う主要メンバー
(出典)United Nations Framework Convention on Climate Change
自由主義・資本主義といえども、日本の戦後高度経済成長期は国家資本主義体制の様相が強かった。その意味でも民主化にも様々なステップが存在する。その様な多様性を是とする発信を日本ができるか否かが、欧米のみならず世界から尊敬される国家になれるかどうかであると思うが如何であろうか。(あと1回の寄稿を試みたい)
(企業ガバナンス部会 490字)
2021/6/4(No.150)
小林慎一郎(1017)
昨今、トリチウムが話題になっている。放射能があるので、何か難しい物質のように感じてしまう。テレビを見ていても、トリチウムがどのような物質であるかの説明はほとんどなく、政治的な話題に終始しているような気がする。
ネットで検索してみた。トリチウムは意外と単純な物質である。水素は陽子が1個の原子であるのに対して、トリチウムも陽子が1個であるが、そこに中性子が2個くっついているだけである。
陽子が1個なので水素の仲間と言うことになる。宇宙からの放射線が大気とぶつかって発生するもので、地球上では水の分子の形で天然に結構多量に存在している。放射能が半分になるのに12年掛かるが、ベータ線が出るだけで、体内に入っても水素と同じように水の形で簡単に排出されるので、人体への影響は軽微と言われている。
放射能と言うだけで、議論を避ける人が多いが、もっと、科学的な見地も踏まえ、総合的に真剣に議論してもらいたいものである。(リモート交流推進室 403字)
2021/5/30(No.149)
今井 智之(21)
昨年はコロナ禍で巣籠中、白ワインの多様性を追求しその広い世界を学んだ。今年は、赤ワインの一大生産地、ボルドー・メドックのコスパのよいワインを論理的アプローチで追及し、家で飲むに素晴らしいワインを見付ける楽しみを得た。メドックには、5段階格付があることを知る人は多いが、その実力を維持しているシャトーのワインは高価過ぎて日常手を出せるものはない。そこで、格下とも言われるクリュ・ブルジョワの中から優れたものを探し出した。メドック格付から漏れたシャトーが、負けじと始め、幾多の改革を経て今日に至った制度で、2年毎に改定されるため優れた生産者ばかりと言える。とは言え249社全てを試飲することは、何年掛かるか分からないし、肝臓も耐えられないであろう。そこで選択基準として、生産地域(下図参照)、H.ジョンソン、R.パーカー等評価推奨シャトーと生産年、国内市場での入手可能性を配慮し購入している。試飲はまだ継続中でも中から6社がコスパがよいワインと判断、その内4本は特に素晴らしいワインであった。詳しくはワイン同好会の情報コーナーに掲載している。巣籠が続くと多産地ワインの探求も続くであろう。
(海外旅行研究会元世話役 写真同好会 ワイン同好会 492字)
2021/5/22(No.148)
近藤 勝重(115)
明治の日露戦争、無能な将軍に率いられた旅順総攻撃。203高地で3ヶ月にわたり死屍累々の山が築かれたとき、弟の身を案じて読んだ与謝野晶子の天皇に向けた切々たる詩だ。同じことが起きていないか。
この悲劇は太平洋戦争末期にも戦線の各地で起きている。全国の母親が泣いた。
医療崩壊や自宅待機で亡くなる方のニュースが痛ましい。ワクチンをめぐる政府の基本スタンスは結局は「自助」だった。突き放された国民、高齢者は難しい手続きを乗り越え、自分で申し込まなければ命が救えないのだ。公助、共助、自助の順でなければならないはずだ。
政府は今だに国民を戦線に送り込む発想で取り組んでいる。接種券の送りつけ、発想は赤紙と変わっていない。それも縦型組織のままで、旧日本軍の行動様式のままだ。何一つ進歩していない。
君、死にたもうことなかれ。
(理事 事務局 彩遊会 353字)
2021/5/20(No.147)
濱名 均(734)
旧ソ連邦の崩壊を事前に予測でき得たのは、日本では極々少数の人々であった。しかし、米レーガン政権(共和党)には、その崩壊の展開が目に見えていた。日本人に対してアメリカ共和党シンクタンクの情報を基に、ソ連邦崩壊の警鐘を鳴らしていたのは、米国在住のジャーナリスト那須聖氏一人であった。濱名はその理論を是とした。当時、間部洋一氏率いる平成フォーラムという勉強会があり、そこで濱名は元産経新聞モスクワ特派員の講演者に、「ソ連邦が崩壊した時に、民衆を支える思想はマルクス主義ではなく、ロシア正教会だと思うが如何に?」と質問した。答えは「ソ連邦崩壊という事はあり得ないが、仮の仮にそうだとしたら‥‥」というものであった。会場は濱名の質問に対する嘲笑が大勢であった。
ソビエト連邦の崩壊後に再建された救世主ハリストス大聖堂の夜景
(Wikipadiaより)
上記のことは世間一般の物の見方というものを端的に表した例であろう。歴史に掉さして眺めれば、現在の中国共産党政権が自ら脱皮するように民主化(形態は様々ある)を成すことと、ソ連邦崩壊とが二重写しに見えてくるのである。恐らく中国の民主化は欧米西側諸国の圧力からではなく、中国自身の経済を含めた彼らの世界戦略の中から出てくるものと思われる。(続く)
(企業ガバナンス部会 495字)
2021/5/16(No.146)
得丸 英司(1333)
『定年後 備えて探る 妻の趣味』これは、定年後研究所が募集した「定年後川柳コンテスト」の応募作品のひとつ。定年後、会社という居場所がなくなると、家庭(family)が重要な居場所となります。定年後に備えて、人生を伴走してくれる「妻(の趣味)のことをもっと知っておかなければ‥‥」という気持ちを表した作品です。
我が夫婦も同じでした。50歳を迎えたとき、「近い将来、鎹となっていた子どもたちが独立してしまう。定年退職後の夫婦だけの生活はどうする?」という話になったのです。「じゃあ、子に取って代わる鎹を探そう!」と始めたのが、私たち夫婦の共通の趣味である『薔薇園芸』です。
近所のホームセンターで苗木を買ってきて、庭の隅っこに植えたのがスタートでした。「ミスター・リンカーン」という品種名で、直径15㎝近くにもなる黒紅色の大輪花の、まさに“ザ・薔薇”と言えるものでした。
大変ラッキーな薔薇との出会いが奏功し、薔薇園芸にハマッて15年。手入れが大変なので、在職中は遠慮がちに少しずつ増やしてきました。昨年は、この3月末のリタイアを見越し、思い切って品種を1.5倍に増やし、現在は31種類の薔薇たちに囲まれた我が家です。
(100歳社会総合研究所 493字 薔薇の写真:2021/5/3撮影)
2021/5/15(No.145)
藤村 峯一(499)
米国にいたとき、ラスベガスでタイヤディラーの全国大会を実施した。なぜラスベガスか、それは飛行機便が最も多く安い、カジノやショウで人を飽きさせない。殆ど全て人工物、鳥や虫も?(これは冗談)。24時間稼働カジノに時計はない。メーカのカスタマーサービスと全米の顧客とその家族が久しぶりに顔を合わせるお祭りとコミュニケーション。
ゲストスピーカーは有名なゴールドラット博士(写真)。物理学者でTOC理論、ザ・ゴールの著者である。
販売部長は著名な大物を呼べたことに満足していた。スピーチの1時間前に主要顧客と当社主要メンバーが博士の要求でホテルの豪華スイートに集合させられた。そこで博士が切り出したのは「格安の1万ドルでこの業界のコンサルタントをやってもよい。またこの成功を本にして出版もしてやろう。デーラーの皆さんメーカへの不満はないか」と強烈な売り込みであった。販売部長はCEOに「事前に博士が皆を集める理由を確認しなかったのか」とこっぴどく𠮟られた。
コロナで閉鎖されたカジノ、徐々に再開の様子です。
(100歳社会副所長 授業支援の会 443字)
2021/5/9(No.144)
濱名 均(734)
私は2008年の春から2013年の初夏にかけて協力相手の
北京政府と関係が深い
SNQA国際部のメンバーには、カナダに留学経験があり日本にも何度か出張に来ていた男性スタッフがいた。サブではあったが一番積極的に協力してくれた若き才女(地方の高校でトップの成績を修め上海の大学を卒業)もいた。いずれにしてもこの5年間を通じて、人間味あふれる対応と積極的な協力関係を体験できたことが濱名の現在の中国人観を形成している。
(企業ガバナンス部会 496字 *董事長:法人を代表する責任者)
2021/5/8(No.143)
織田 文雄(1196)
「笑って免疫力アップーその2」の続きです。最初に同じテーマで投稿したのは1年前の(第1回目の緊急事態宣言下の)5月2日でした。あの時と今を比べると感染者は現在の方が圧倒的に多いのに「緊急」の捉え方が 随分異なるような気がします。もう少しの辛抱なので(もう少しであって欲しい)笑って免疫力をアップしましょう。
(事務局 481字)
(編集人がボーっとしていたため大変遅くなりました。陳謝のうえ掲載いたします)
2021/5/7(No.142)
近藤 勝重(115)
5月から始まるNHKの朝ドラは気仙沼(宮城県)が舞台だ。気仙沼はDF理科実験Gが毎年遠征している被災地の一つ。10年前の震災の翌年、京都で行われた漢検*の年度表彰式に評議員として参加していた時のこと、全国の小学生や中学生が表彰される中、団体で特別賞が気仙沼市に与えられた。早速自己紹介の上、教育委員会代表の熊谷先生に、DFの理科実験出前教室による被災地支援を申し出た。先生は大変興味を示されたので、理科実験Gの守屋さんに繋ぎ、遠征実現の運びとなって今に続いている。
その年の秋に私も自費で遠征し、実験メンバーと南三陸に泊まり出前教室にも参加した。遠征の目的はもう一つあった。気仙沼の隣り、陸前高田(岩手県)の奇跡の一本松を見て、さらに盛岡に足をのばし、彩遊会に出品した自作の絵(左)を見に行くことだ。この絵は震災の年に描いたのだが、盛岡のラジオ番組で被災者支援番組のパーソナリティをやっていた知人の
(理事 事務局 彩遊会 496字 *日本漢字能力検定協会)
2021/4/18(No.141)
濱名 均(734)
濱名は1975年に蝶理株式会社に入社したが、1978年12月に中国で採択された「改革開放」政策での訪日第一陣ともいえる中国研修生の集団に出会っている。その研修生集団は当時の蝶理箕面寮(男子社員の独身寮)に宿泊したのである。東レの滋賀工場視察の前日の宿としたのであったが、その寮の浴場で言葉を交わす機会があった。彼らの応答は中国の将来を背負って立つのにふさわしい温厚で慎み深いものであったことを昨日の様に思い出す。
繊維の軽工業はどの国でも同じで工業化の際の第1ステップである。蝶理は中国政府の認証する商社の第1号であった。ちなみに今日中国に於いては大車輪の勢いである伊藤忠商事は第2号である。蝶理の中国貿易室が訪日研修生集団の窓口を請け負ったのであった。
1989年の天安門事件で国際社会において孤立していた中国指導層は、鄧小平の外交姿勢である「
(企業ガバナンス部会 484字 「*韜光養晦:才能を隠して内に力を蓄える意」)
2021/04/16(No.140)
髙橋 宜治(858)
コロナ禍がなかなか治まらない。このコロナの影響を最も受けたのは学生諸君ではないだろうか?
私は埼玉県立浦和高校出身であるが、校訓は「尚文尚武」。「三兎を追え」と言われる。三兎とは、勉強、部活、イベントである。この3つができない奴は浦高生ではない?
ところがコロナ禍においては部活もイベントも全て中止となってしまった。
昨年は高校野球の甲子園大会が中止。その代わり各県が独自大会を開催。埼玉県も無観客で開催した。応援のブラスバンドも応援団のエールもない。
そんなある日、テレビ埼玉(テレ玉)会長の平本君から「先輩、後輩達の為に応援してください。テレ玉で中継します。その番組中に応援のテロップを入れてください。特別安くしますから」と後輩のためにと、後輩からの電話であった。彼とは同窓会で役員を務めている。まあ付き合いのつもりでOKをした。
後日、彼の招きで鰻を馳走になる機会があった。その時にDFのパンフレットを持っていって説明した。すると「テレ玉の経済番組でビジネスウオッチというコーナーがあるので、そこで紹介します」となった。それが今回のTV放映となった次第である。
(事務局 478字)
2021/04/14(No.139)
市古 紘一(338)
人々が行き交う鶴見川土手を川下に歩くと、右手の丘に「大倉山梅林」がある。1931年東急が開園して最盛期には1千本の大梅林であったが、今も横浜市の管理公園として珍しい
隣の白亜の建物が「大倉山記念館」。大倉洋紙店三代目社長大倉邦彦氏が1932年「大倉精神文化研究所」を設立。現在では付属図書館、ホールなどを含め記念館として様々な文化活動に利用されている。プレ・ヘレニック様式を採用したギリシャ神殿風の圧倒される建物であり、映画等のロケにも利用されている。コロナ禍文化的な活動は限られているが、近隣の人々にとって憩いの場所である。
記念館から大倉山駅までの坂道の途中にあるパン屋、焼きたてのパンとコーヒーで、大倉山散策コースは終わる。一周約7千歩、休憩を入れ1時間強。コロナ禍において心身ともに爽やかな健康法、これから春夏秋冬と1年は続きそうである。
(蕎麦打ち同好会、観光立国研究会 464字)
2021/4/4(No.138)
濱名 均(734)
このタイトルの最終稿である。
今後の世界を俯瞰する際に必要な視座について考える。欧州とりわけドイツを中心にイタリアそしてEU加盟諸国と中国経済の結びつきが一つのコア(核)になる。これに地域的及び歴史的な近隣諸国であるロシア及び旧ソ連邦諸国、中東諸国の一大経済勢力圏が出来上がる。一帯一路構想は中国の戦略であるが、恩恵を受けるのは中国ばかりとは言えない。
卵が先か鶏が先かという議論はあるが、英国のブレグジット(欧州連合離脱)の真の世界的意味は、上記の動きにある。欧州に埋もれるのを嫌った英国は英連邦と中国の連携で世界を股にかけようと試みている。ロンドンと上海での「Goldの価格決定」がいずれNYに取って代わるであろう。中国ばかりが「覇権の行方」に興味を持っている訳ではない。
他方アメリカ合衆国は、世界に張り巡らせた情報網と軍事力と民主主義という旗印をもって、中国の台頭を迎え撃つ気概を持っている。この歴史的大変動期の中で、我が日本国の海図とハンドリングを如何に持つべきかが、今、問われている。現在の既得権益層(政治家・資本家・高級官僚・ジャーナリズム等々)頼りだけでは心もとないことは言うまでもない。
(企業ガバナンス部会 499字 写真:2019/6/15に行われた
「一帯一路日本研究センター(BRIJC)」の第1回東京フォーラム 出典:BRIJC)
2021/3/31(No.137)
濱本 龍彦(253)
映画「カサブランカ」(1942年)に流れる曲である。いつかこの曲を自分がピアノで弾きたいと思い続けていた。事業経営のためにロサンゼルス近郊の田舎町に住んでいたとき、思い切って、ピアノ教室に電話した。「60歳ですが、ピアノを弾けるようになりますかね」「NO PROBLEM!」。この言葉によって2年・週1回、USC大で音楽を学ぶ学生から教えを受けた。そして今、毎日のように、僅かな時間でもピアノに向かうが、弾き始めは必ずこの曲である。
映画「カサブランカ」の一部と欧州統合の父 クーデンホーフ・カレルギ伯爵
映画「カサブランカ」は、洒落た言葉で魅了し、男の最高の“やせ我慢”を好演したとも言えるハンフリー・ボガード、そして優美、知性のイングリッド・バーグマンの二人が演ずるドラマであるが、もう一人に興味を持った。ドイツ軍に追われ最後の緊迫のシーンで米国に亡命するラズローである。
そのモデルは1929年に「汎ヨーロッパ」を著し、欧州統合の父と言われるクーデンホーフ・カレルギ伯爵であるという。その母こそ青山光子。貴族のオーストリア日本代理公使に見染められ結婚。夫君の早世後7人の子どもを苦労して育てた。伯爵はその次男である。この話もこの曲に魅力を感じさせるのだろう。
(498字 ワイン同好会 海外旅行研究会)
2021/03/31(No.136)
新庄 正彦(1283)
小林さんの【単位の話】で触発され、元・星の王子様としては好きな宇宙の話をせざるを得なく(?)なりました。
皆様も何光年先にある星座の話を耳にすることもあるかと思いますが、【1光年】がどの位の距離か意識されたことは意外と少ないのではないでしょうか? 宇宙は天文学的に広いので光が1年で進む距離を「光年」という単位で測るのですが、距離のはずなのに「年」と付くので時間なのかと疑問に思われる方もいるようです。因みに音速は時速1225Km(マッハ1)で、光は時速10.8億Km(マッハ88万)です。その光が1年で進む距離が1光年、即ち9,460,730,472,580,800メートル(敢えていうと9.46ペタメートル)です。Kmで言うと約9.46兆Kmです。分かり易く例えると時速100Kmで休みなく車を走らせれば1080万年弱で着きますね。
宇宙の果ては光速以上で膨張し続けていると言われているので分かりませんが『観測可能な宇宙』は地球から半径465億光年というのが天文学的通説です!
こう考えると世界一の大富豪の資産が10兆円を超えると言われても天文学的金額とは言えませんね(負け惜しみでしょうか?)(事務局 496字)
2021/3/30(No.135)
濱名 均(734)
前回は核家族化の伸長が資本主義の発展に寄与してきた側面を見てきた。また覇権国家としての地位に対して、中国の挑戦を受けているアメリカ合衆国の対抗手段に思いを巡らせてみた(3/18 NO.132)。
民主主義(議会政治)と人権(宣言)という名誉革命及びフランス革命以来の西側諸国の共通の価値観こそが、沈みゆく経済大国・アメリカ合衆国を、なかなか沈まない不沈空母のような粘り強さをもって世界に君臨し続けさせるであろう。たとえ数年先GDPで中国に抜かれても、世界への影響力は暫くNO.1の地位を保ち続けるであろう。
従って俯瞰して見るならば、もはや焦点は中国ではない。欧州とりわけEU諸国の経済社会的挑戦を米国は受け続けると見る視座が肝要である。欧州は国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)通称パリ協定の思想・哲学を梃子に再び世界をリードしようとしている。
米国は国家としてこの流れに乗らざるを得ない。バイデン政権が誕生した背景には、この地球環境問題に関する世界の流れがある。アメリカ合衆国の資本家層・エスタブリッシュメント層・既得権益層にとっては、この世界の流れに乗ってゆく必要があるということである。
(企業ガバナンス部会 498字
写真は2019年12月にマドリードで行われたCOP25会場のFeria de Madrid)
2021/3/26(No.134)
岡田 隆雄(1017)
数年前メンバーズエッセイに鉄道模型談を寄稿しました。その時紹介したレイアウト(ジオラマ)では、国内外で異なる車両規格やきついカーブに起因する問題等で、手持ち車両の一部しか走らせることができませんでした。そこで「手持ち車両の全てが走行可能なレイアウト」を目指し改修を決心しました。海外規格も満たすレールを使い、カーブを緩やかにする線路配置への全面改修でしたが、作業は遅々として進みませんでした。
「カメラカー」 ビデオカメラを無蓋貨車に載せ撮影
そこへコロナの襲来です。全ての予定はキャンセルとなり改修に割ける時間が増えたお陰で当初の目標をかろうじて達成する事ができました。そうなりますと欲が出るもので、動画サイトで見かける「あたかも自分自身が模型車両に乗っているかの如くの動画」を作ってみたくなりました。ヘルメットや自転車等に取付けて録画や配信ができるWifi接続のビデオカメラを無蓋貨車に載せ、走らせたところ結構リアルな動画を撮ることができました。
(全画面モードで見るとさらに迫力が感じられます)
皮肉にも自粛生活で鉄道模型は充実しましたが、一日も早く普通の生活が戻る事を願う毎日です。
(理科実験G 技術部会 蕎麦打ち同好会 443字)
2021/3/24(No.133)
小林慎一郎(1017)
スパコン富岳を使った咳の飛沫飛散シミュレーションはリアルで素晴らしい。世界一の演算速度の富岳は1秒間に42
では問題:次の左右の数値はどちらが大きい?
答えはどちらも同じ。いかにも大きそうに、あたかも小さいような恣意的喧伝に騙されないようにしましょう。
(リモート交流推進室 490字)
2021/3/18(No.132)
濱名 均(734)
資本主義は核家族制度の定着によって伸びてきた。実は日本の戦後の高度経済成長も「都市化と核家族化の伸長」によってもたらされたという見解を濱名は持っている。その視点で見るとインドやインドネシアの核家族化はこれからであり経済成長は続くであろう。今後の中国の内需は、一人っ子政策と核家族化の頭打ちで限界が表面化してくる。世界の工場と化した中国の生き残り戦略は今後も輸出主導である。一帯一路政策でそれを力強く推し進めているが、同時に死角も存在する。
中国の世界覇権に対しての挑戦が昨今の世界を俯瞰する際に重要な視座を提供している。他方、アメリカ合衆国の必死の世界戦略・工作により、世界的に独裁政権がなくなりつつある。人権と自由と民主主義を旗印に米国は世界覇権国家としての地位をキープするのに必死である。
世界中に米国の価値観である民主化の波(濱名の言葉を使えば後期覇権形態である)が押し寄せている。この波の中で、中国共産党政権(習近平政権)がどのように世界の国々と付き合っていけるかが問題である。たとえ技術の側面を克服したとしても、輸出主導国家の中国の今後は厳しい立場に立たされるだろう。
(企業ガバナンス部会 487字)
2021/2/24(No.131)
寺崎 志野(548)
先日、新国立美術館「佐藤可士和展」に行ってきました。“凄い”の一言。
(左から:新国立美術館 セブンイレブン T-POINT ユニクロ 楽天 の各ロゴ)
これらのロゴは全部彼の制作、でもほんの一片。私達が普段、普通に目にしている街中のロゴの殆どが彼の作品、彼の仕事なのですから。セブンイレブンや日清食品の商品パッケージも、あのユニクロのデザインも。日本の衣食住全部が彼のデザインで構成されている。21世紀のダ・ヴィンチ?と、一瞬頭をよぎった位。小学4年生の時の図画から、これ迄の仕事、作品、設計、全部を展示してある。
展示会場入口によくある、音声ガイド。大抵は有料だが、無料だった。聞いてびっくり。佐藤可士和さんご本人が話しているのである。それも、言葉や文章が分かりやすく、聴きやすい声と話し方だったのである。一般客の耳にすーっと入るように説明をしてくれるとは!
「人に寄り添う」と、あちらこちらで耳にする文句だが、本物は、佐藤可士和さんである。
日清ミュージアム
ふじようちえん
UNIQLO PARK横浜
デザインとは、ファッション商品のためだけではない。衣食住全部のみならず、工業技術、経済発展にとっても、必要なコトであると、教えてくれる展示会です。
日本経済界の中枢で頑張って来られた、DF会員の皆様、ビジネスデザインという概念を論じてみませんか。
(映画・写真・蕎麦打ち・ワイン同好会 500字)
2021/2/20(No.130)
寺崎 志野(548)
フランス語レッスンで、「趣味は?」に、「フランス語、ワイン、水泳そして映画。しかしコロナの所為で1年間、映画館に足を運べず」と返事をしています。でも、コロナのお陰で、すっかりNETFLIX鑑賞時間が増えました。
NETFLIXのドラマの舞台は、アメリカ、欧州、南米など、世界中の大都市、歴史的地域で、撮影もきめ細かく、自分が旅をしている気分になれる。主人公といえども、大概、脛に傷のある身、でも、セレブだからブランド物の服、靴、バッグ、時計、宝石をジャラジャラと身に付けている。ファッション業界人の私の目は、爛々と輝き、眠気は皆無。
というわけで、NETFLIXビギナーの半年位は、1本目が終わると、次はどうなる??との思いを断ち切れず、際限なく見続ける時期がありました。整体師に腰の痛みを訴えた処、長時間同じ姿勢を続けたため、身体のバランスを崩したことを指摘され、ソファーの位置をモニターの正対に直した程です。NETFLIX 中毒にくれぐれもご注意!
NETFLIXのマーケティング、欧米の政治・経済・法治の中枢の悪徳、若者に与える倫理観の影響、などについての考察はいつかまた。
(映画・写真・蕎麦打ち・ワイン同好会 488字)
2021/2/7(No.129)
小林慎一郎(1017)
自粛体制のもと、体力維持を図るため、交通手段を使わずに一人で街を歩いたところ、今まで忙しく見過ごしていた近隣の気づきがありました。以前からアカデミー勉強会の一環で、「江戸東京街歩き」を開催してきましたが、当面は、「ひとり街歩き同好会」を開催して散策成果をメンバーがZoomで披露し合い、聞いた人が気に入れば、密を避けて一人で、その場所を訪問してみるような会を提唱したいと思います。
今回はその一例として、西武池袋線の椎名町駅前の長崎神社と大塚駅前の
長崎神社には富士山噴火の溶岩を削り出した親の狛犬に子犬が溶岩山を上ってくるデザインになっています(写真1)。富士山信仰との重ね合わせのようです。天祖神社の狛犬は子犬を踏んでいるのではなく、乳を与えている姿になっています(写真2)。祖霊信仰の神社なので、子宝も願っているのでしょうか。どちらもなかなか気付きにくいのですが、ゆっくり散策しての成果です。いかがでしょうか。(リモート交流推進室 419字)
2021/2/5(No.128)
近藤 勝重(115)
江戸時代では、今の小学校教育は6万にのぼるお寺(すべてではない)の寺子屋が担った。読み、書き、そろばんが教えられた。マネル→マネブ→マナブにより知識・技術の習得を進め、それらが茶道や弓道のようにすべて「道」になった。全人格的な本来の学びが「道」となった。
我がDFはまだ「シニアの寺子屋」にすぎない。現在学び中は600人である。
この先、もっと楽しい選択肢やもっと知的好奇心をもってもらえるメニューを増やして「DFキャンパス」化できればいいなと思っている。研究会や同好会も増やしたいし、100歳総研におけるロールモデル作りも本格化したい。
ひたすら「DF道」と言えるようなものに向かって進めるように目指したい。この道は全会員が参加する「共創の道」でもある。
NHK番組の「美の壺」で、岩手の漆の塗師の言葉が紹介されていた。漆器は磨けば磨くほど自分が見えてくると。一瞬、漆塗りの道を示唆する言葉かなと思ったが、実は刷毛で塗った後、刷毛のあとがなくなるまで、塗り面に自分の顔が見えるまで磨き続けることを表していた。磨いたその先に鏡に自分が映る、私は教訓ととらえた。
2021/1/31(No.127)
合田 隆年(17)
前回のパン屋の記事*を店の責任者に渡したところ、この社会福祉法人を丸紅基金が支援しており、彼も丸紅OBで、しかも段谷さんと中東で一緒だったと。この奇遇、援け合いの縁。
私事で恐縮、私が絵葉書を送っていた92歳の姉(写真)が先日亡くなった。天寿を全うし、眠るようだった由。それでよかった、長い間お疲れ様。
葬儀の日には、香川・豊浜へ手紙とお菓子を送り、メールで届いた姉の写真に花を手向けて合掌、涙‥‥ だいぶ前に主人が藍綬褒章を授かり、姉も上京、その記念写真だろう。その数日前にバイク転倒で痛めた肋骨をさらしで巻いていたが、姉の気合に驚いた。
その時に行った、ざくろ赤坂のしゃぶしゃぶがおいしかったとよく話してくれた。
また行こうね。ところで、絵葉書は描きたいけど、どうすればいいのかな‥‥ 。
(彩遊会 307字「*前回のパン屋」の記事はこちらから)
2021/1/29(No.126)
織田 文雄(1196)
前回同じテーマ*で投稿したのは昨年第1回目の緊急事態宣言下の5月2日でした。あの時と今を比べると感染者は現在の方が圧倒的に多いのに「緊急」の捉え方が自分自身も含め 、随分異なるような気がします。前回はもう少しの辛抱なので(もう少しであって欲しい)笑って免疫力をアップしましょう。と言いましたが、敢えて同じことを言います。
もう少しの辛抱なので(もう少しであって欲しい)笑って免疫力をアップしましょう。
500字の字数制限が来ました。この続きは笑って免疫力アップ(その3)でお知らせします。
(事務局 431字 *前回の〈E-Column〉はこちらです)
2021/1/22(No.125)
小林慎一郎(1017)
緊急事態宣言を受けて自宅に籠ると、どうしても時間にルーズになる。これはボケの始まりである。そこで、江戸っ子よろしく、日の出、日の入りの時間に合わせて、日々、規則正しく過ごすことを心掛けている。その成果で、タイミングよく自宅から夕日のダイヤモンド富士の写真を撮影できたので、前回、〈E-コラムNo.116〉に投稿した。今回は明け六つに起きて、スカイツリーから昇る日の出をとらえたので紹介します。
ところで、コロナ禍のもと、大学ではオンデマンドの講義が続いている。新しい生活様式の一つとして、ITを駆使したリモート学習は評価できる面も多々あるが、朝の登校時間に拘束されず、いつでも受講できるのは良し悪しである。学生が社会に出た時のために、時間通り生活する習慣をつけることは重要な素養となる。「ものつくり」の産業界では、全員が時間に揃わなければ、生産は進まない。今の社会環境で若者がボケないことを望むばかりである。(リモート交流推進室 403字)
2021/1/20(No.124)
濱名 均(734)
「アメリカファースト」を最初に叫び実行に移したのは、第2次世界大戦への参戦に反対した飛行機野郎チャールズ・リンドバーグである。「我々はもう母国アメリカへ帰ろう」という思想・考え方である。欧州戦線への不参戦を説いていた。巷に日本で翻訳され流布された「アメリカ第一主義」などという、薄っぺらな考え方・思想ではない。
私は自民党の某大物代議士を介して九段下のホテルグランドパレスの個室で、当時環境大臣であった小池百合子氏に個人的に会っている。とても慎重な人という印象を持った。その後小池さんは「都民ファースト」というキャッチフレーズを作り出した言葉のマジシャンでもある。「アメリカファーストの思想」を50%ぐらいは理解しているかもしれないと期待している。他方トランプ大統領はほぼ100%リンドバーグの思想を理解して使った言葉であろう。
アメリカ軍によるイランへの攻撃命令を10分前に停止させた大統領がそこにあった(2019年6月21日)。これからのジョー・バイデン政権にも戦争回避ができるトランプ氏のような強力なリーダーが存在して欲しい。トランプ大統領はやはり「腐っても鯛」であると思う。
(489字 企業ガバナンス部会)
註:バイデン氏の大統領就任式は2021年1月20日(日本時間1月21日未明)です
2021/1/15(No.123)
近藤 勝重(115)
今、コロナのおかげで毎日数字漬けになっている。東京の、日本の、世界各国の感染者や死者の数のニュースだ。グラフも日常になってきた。
日本では、1年の季節を数える言葉が多い。88夜、210日、お月さまの満ち欠け、24節季など豊富だ。この豊富さが日本人の情緒を豊かにしている。
また、日本人は年齢の数え方も多い。干支で、厄年の廻りで、節目の年齢の呼び方も還暦・古希・喜寿・傘寿など多彩なものがあり、生き方まで影響を受ける。加えて、後期高齢者などの行政による社会福祉用語が重なる。年を重ねるほど定義ががんじがらめになる。諸外国では年齢不問、生涯雇用であり年齢が日本ほど問われないと聞く。哲学者岸見一郎は「数えない生き方」を説く。精神分析学者フロムの言う「無時間性」で今ここを永遠に生きよと、「数えるのをやめた時、人生は変わる」と。
難しい話を引用したが、私など凡人はその境地には程遠い。DFにおいても年齢は個人マターとは言え、高齢者には「100歳人生」をテーマにして会員生活を豊かに継続していただくことは最大の使命ととらえている。大事なのは、最終コーナーを回り始める人生のラストスパートのこれからなのだ。
(理事 事務局 彩遊会 489字
写真は正月の伊豆下田 石廊崎灯台:暗闇に進路を照らす期待を込めて/撮影:筆者)
2021/1/13(No.122)
佐藤 眞樹(566)
1963年に東京・NY姉妹都市交換派遣大学生としてNY大学に留学していた時に知り合った Alexander DeAngelis氏 が昨年、小説「Rick and Rocco」をアメリカで出版、日本でも出版したいと翻訳を依頼して来ました。
彼自身も後に、同じプログラムで国際キリスト教大学(ICU)に留学し、国務省の文化科学交流担当として日本や、中国に駐在しました。
その彼から依頼を受け昨年12月末にKindle版の電子書籍として「リックとロッコの世界大冒険」を出版することが出来ました。
真っ黒な牡馬リックと農園にやって来たシシリアン・ミニチュア・ドンキーのロッコが世話をしてくれている少女ジュリーとその家族とロッコの故郷のイタリアやリックの故郷アイルランドを訪ねたり、国務省の文化交流事業で日本や中国を訪れる冒険物語です。
翻訳出版したKindle版
原作の「Rick and Rocco」日本国編
児童向け小説ですが、大人が読んでも成程と感じるものが随所にちりばめられていると思います。僕はアイルランドでのウィーピープル(小人)の物語が特に好きです。日本では地獄谷でスノーモンキーと一緒に温泉に浸かったり、禅寺で座禅を組んだりもします。是非、お読み頂ければ幸甚です。
(497字 スキューバ同好会世話役
こちらの「活躍するDF会員」に詳しい内容が掲載されています)
2021/1/10(No.121)
濱名 均(734)
かつてシャープ液晶テレビ20~26インチを最初に店頭で見かけた記憶がある。価格は20万円少し、長らくこの価格で売れないけどディスプレイされていた。開発コストがオンされている値段だと直感していた。そこにある日突然、7万円・5万円のサムスン電子の同インチ液晶テレビが登場した。液晶テレビが急速に普及したのはこの時からである。つまりサムスンが市場を開拓・拡大したのである。シャープは明らかに市場開拓・浸透能力ではリーダーたり得なかったのです。しかし経営陣は技術がトップなので「トップは俺っち」と勘違いした。そして技術上がりの経営トップ層は「世界の亀山モデル」へと巨艦体制を敷いていった。これが総合力を要する経営に於いて韓国サムスンに敗北を喫する直接の要因となった。「マーケットで売れていくら」、この視点を直視・理解しなかった経営陣としての稚拙なる敗北であった。
コトラーの競争地位4類型
船頭多くして船山に登る
2つ目の視点は政府系ファンドの産業革新機構対台湾の鴻海精密工業とのシャープ争奪戦である。前者は明らかに「船頭多くして船山に登る」の諺を地で行った感じである。鴻海は郭台銘ただ一人のリーダーであった。戦いの勝敗は戦略以前に決していたのである。
(496字 企業ガバナンス部会)