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能面

能・狂言同好会

世話役 高木健次
(2017年版)

info_釣り同好会
矢印

2017年11月19日 更新

目 次

掲載日付 タイトル 実施日付
11月19日 DF能狂言鑑賞会(第10回)「熊坂長範」を鑑賞 11月12日
6月22日 DF「能・狂言」鑑賞会(第9回) 2月19日
3月3日 お殿様」するのも楽じゃない 2月19日

DF能狂言鑑賞会(第10回)「熊坂長範」を鑑賞

DF能狂言同好会のメンバー5名が「宝生会月並能」と「能+1 能面」を鑑賞しました。会場は水道橋にある宝生能楽堂。「能+1 能面」は、能面師後藤祐自氏と宗家宝生和英氏が能狂言の公演に先立って、実物、ビデオ映像、Q&A形式で展開する能面講座。製作のプロセス、修復や「写し」製作のポイント、舞台で実際に使用する際の効果と限界などが紹介され、鑑賞者には密度の濃い事前講義となりました。

能は仮面劇であるだけにその仮面「(おもて)」のついての裏・表を知りえたことは、面白かった。一例を紹介しますと、能面の修復や「写し」製作の場合には、キズはキズのままに残されるという話がありました。キズを消してしまうとその面が持っている時代をも消してしまうからです。こんな話を聞いて、最近、平成の大修理を終えた姫路城のことを思い出しました。真っ白にしすぎではないの、という批判(?)の声があります。大修理を担当した鹿島建設の友人は、現代の人々が見ていた修復前の白鷺城は雨風、陽や塵でくすんだ城、真っ白なのが本当の姫路城なのだ、と言いますが、くすんだ城なのか真っ白な城なのか、果たしてどちらに軍配を上げていいものか。

【写真左:当日の参加者】 左から宮本幸始、藤田公一、高木健次、松本一紀の4人
(この他に錦織淳) 【写真右:能面「大癋見」】

また、能『熊坂』で使用する能面「大癋見(おおべしみ)」の解説が室町時代の面と江戸中期のものとの実物でもって紹介されました。いずれも長い歴史を持った面です。面をじっくり見ると「おじさん」の顔。これに長範頭巾を被せて人が着用するやたちまちに大悪人の容貌となってしまいます。こんな解説のあと、実際の舞台でその変わりようをなるほどと体験することになりました。

今日、鑑賞したのは、『楊貴妃』と『熊坂』。静と動の2曲。

『楊貴妃』の舞台は、あの世である仙郷・蓬莱山の設定になっており、亡くなってここにいる楊貴妃を玄宗皇帝の命を受けた方士が訪ねていくという物語。通常の能では、あの世から幽霊が登場し、生前の活躍した様子や無念の死を遂げたことなどを語り、回向を頼むという筋立てですが、『楊貴妃』は舞台設定が逆になっています。

『熊坂』は、熊坂長範の亡霊が現れ、牛若丸一行を襲い薙刀を振るう勇ましいさまを見せるものの遂に力及ばず破れ、後世の回向を頼むというストーリー。大盗賊熊坂長範と義経による複式夢幻能の典型でした。

◇ ◇ ◇

次回の鑑賞会は、平成30年6月19日(火)14:00、国立能楽堂での「能楽鑑賞教室」を予定しています。日程の確保をお願いします。

以上  
(文:高木健次 写真:宮本幸始)

DF「能・狂言」鑑賞会(第9回)

好天の6月20日(火)、国立能楽堂能楽鑑賞教室で「能・狂言」を鑑賞しました。

この鑑賞教室は、首都圏の中高生を対象とした催しです。今回は大宮北高校、白百合学園の高校生でいっぱいの会場に、一般団体枠でDF能・狂言同好会のメンバー8人が参加しました。近い将来、世界で活躍する若者が、日本の伝統芸能の一端に触れるいい催しです。「いい」というのは大人の考えで、能が始まれば下を向いて眠っている生徒がいたことも事実。若かりし時のわが身を振り返ると昔も今もかわらない、已むを得ません。

午後2時から始まった鑑賞教室の2時間の内容はこのようなものです。

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DF能・狂言同好会
高校生で満席の能楽堂
懇親会にて
鳩森八万神社の将棋堂
まず、能楽の楽しみについての解説30分。3人の生徒を舞台に上げ、「構え」「すり足」の指導とシンプルな動きがどのような意味を表現しているのか実際の動きの体験。会場からはヤンヤの声援は通常のお能の会ではないことです。

狂言附子 ( ぶす ) は20分。主人に桶の中は毒だ、と言われたものの、留守番の2人が中身の砂糖を扇を使ってなめる仕草は、扇子1本、手拭い一つですべての動作を演じる落語の原点です。

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DF能・狂言同好会
能楽堂資料展示室
能楽堂資料展示室では「能楽入門展」が行われていた

黒塚の演能時間は、60分。三鬼女ものと言われる能の一つで「道成寺」「葵上」とともに鬼女が主人公。話の筋は、神話や昔話にある「見るなの物語」の一つの類型です。なぜ女が鬼女(鬼婆)となったのか、この女の過去について前もってその事情を知っておきますと「黒塚」の曲の深みが出てきます。観世流では『安達ケ原』という曲名、流派によって異なる名称となることも小さな発見でした。

鑑賞教室終了後は、能楽堂の資料展示室で(おもて)装束を見学。半切袴の大柄で派手な黒地立浪模様は、のちの葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」のWAVEにつながるデザインでありました。国立能楽堂の近くには鳩森八幡神社があります。境内には江戸七富士の「千駄ヶ谷の富士塚」や「将棋堂」があります。連戦連勝、28連勝に挑んでいる中学生棋士藤井聡太四段(14歳)に因んで、改めて「将棋堂」をしっかり見ました。

懇親会では、もっぱら日本の文化を俎上にのせ、論議に花が咲きました。

以上  
(文:高木健次 写真:小林慎一郎)

「お殿様」するのも楽じゃない

ーー 能狂言同好会とDF観光立国研究会のメンバーが「式能」を鑑賞 ーー
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DF能・狂言同好会


平成29年2月19日(日)、DF能狂言同好会とDF観光立国研究会のメンバー9名が「式能」を鑑賞しました。会場は、千駄ヶ谷にある国立能楽堂。午前10時から午後7時過ぎまでの9時間余に及ぶ長丁場の能・狂言鑑賞会です。体力勝負の1日でした。何人かの会員にお声をかけたところ、「参加したくとも椅子に座るのは2時間が限度でねえ」とのお言葉。

式能とは、江戸時代の武家式楽に倣い、能5番と狂言4番の番組編成の演能です。今回は、「神・男・女・狂・鬼」を象徴する5番の能の冒頭に、特別に「翁」がつきました。「翁」は、能楽の成立前から神仏に天下泰平、国土安穏を祈祷する芸能としてあったもので、物語の筋もありません。「能にして能に非ず、能楽師が演ずるから能」ということになっています。謡本で「とうとうたらりたらりら〜」という呪文のような詞章を謡えば5分程度ですが、1時間ほどの時間をかけて演ぜられました。何がどのように演ぜられるかは、実際に見てみないことには分かりません。以前、鑑賞した黒川能と同じく、日本の芸能を通じて700年の昔にタイムスリップしました。

「神・男・女・狂・鬼」の5番の能は、それぞれ5流宗家(観世、宝生、金春、金剛、喜多)が1番ずつを分担しました。なじみ深い「鶴亀」「田村」「土蜘蛛」などもあり、ゆったりとした形式美の中に人間の秘められた喜怒哀楽を読み取りながら、メンバー一同、素晴らしい時間を過ごすことができました。各流派の演者の顔ぶれを見ていますと、流派の勢いをうかがい知ることもできたのも、5流勢揃いの会ならではの催しでした。

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DF能・狂言同好会

主催しました能楽協会のことを少し紹介しますと、能楽協会は能、狂言、囃子方の各流の能楽師からなる唯一の業界団体で、能楽普及・啓蒙活動や著作権の保護に取り組んでいます。5流が勢揃いする式能は、能楽協会でなければ開催できません。

「お能」自体はなかなかとっつきにくいものがあります。最近は、狂言だけで番組が編成されたり、狂言教室が開かれたりしています。また、国立能楽堂などは和装の観客には小さなプレゼントを用意したり、鎌倉市でも着物の観光客などにはおまけを準備しています。きっかけは着物や狂言であっても、日本の伝統文化へのハードルが低くなれば、いいですね。

今や、インバウンドの外国人が年間3000万人を超える状況を受ける中、DF観光立国研究会は「みんなの外国語研修」、会員による「旅の本(仮称)」の刊行を目指すなど、いろいろな活動を続けています。DF能狂言同好会はDF観光立国研究会と一体となって活動することを目的の一つとしており、今回はその一環としての鑑賞会でした。次回の催しは、6月20日の能楽鑑賞教室を予定しています。少しでもご興味をお持ちの方の参加をお待ちしております。

以上  
(小林慎一郎 高木健次)

高校生で満席の能楽堂
懇親会にて
鳩森八万神社の将棋堂