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隈取り

歌舞伎同好会

世話役 若松 常美(2018年版)

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2018年12月7日 更新

目 次

テーマ / イベント名 実施日
11月歌舞伎観劇会記 11月24日(土)
9月文楽観劇会録 9月15日(土)
6月歌舞伎鑑賞会 観劇記 6月23日(土)

2018年12月7日 掲載

11月歌舞伎観劇会記

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11月24日、23名のご参加を得て、国立劇場11月歌舞伎公演を観劇しました。

演目は、「名高大岡越前裁 (なもたかしおおおかさばき) 」。明治8年初演の河竹黙阿弥による講談「大岡政談」からの脚色狂言「扇音々(おうぎびょうし)大岡政談」を、国立劇場文芸研究会の補綴(ほてい)により再構成され、昭和47年(1972)以来の復活公演となりました。

享保年間、徳川吉宗治下で大岡越前守は南町奉行として手腕を後世に残し、虚実織り交ざっての「大岡政談」シリーズの講談が幕末から明治初期まで、神田伯山等によって世に広められました。同時代の享保13年(1728)、吉宗の御落胤を(かた)った「天一坊事件」が起こり、事件は騙りが暴露され翌年天一坊は獄門に処され終幕した。この事件は町奉行の所管でなく、大岡越前が裁くことはあり得ませんが、伯山は両者を結び付けたフィクション「大岡政談天一坊」を物にし、「伯山は天一坊で蔵を建て」と川柳に読まれたとか。

一介の小坊主法沢が、老婆のお三から、自分と同じ生年月日の孫が若き吉宗の御落胤との秘話を聞き出し、証拠の墨付と短刀を手にしてむらむらと起こす悪心、己の痕跡を消すための悪行、優れた参謀を得んがための捨て身の告白と淡々と進む舞台に物足りなさを感じましたが、梅玉の大岡越前の登場でぐっと引き締まり、あとは緊張感を保って「これにて一件落着」まで一気呵成でした。

観劇後、2階食堂で23名のご参加を得て懇親会を持ちました。

◇ ◇ ◇

次回は2019年1月27日、国立劇場正月公演「姫路城音菊礎石 (ひめじじょうおとにきくそのいしずえ)」の観劇会です。国立劇場は毎年正月公演を文芸研究会と菊五郎劇団とのコラボで、「復活通し狂言」を上演し続けてきました。江戸時代に上演されその後うずもれた狂言を掘り起こし、文芸スタッフが現代の観賞に耐えるように補綴し、菊五郎が演出してきました。見物はハイテクを駆使した舞台装置で、毎年観客を沸かせてきました。

江戸時代、歌舞伎は常に現代演劇であり、旧作の改作改良は常套でしたし、舞台装置は常に時代の先端技術が駆使され観客を仰天させました。回り舞台、すっぽん、セリ上げ、セリ下げ、どんでん返し、宙乗り、篭脱け、本水使い、等々と。

さて、来年正月菊五郎さんはどんな趣向を楽しませてくれるでしょうか。国立劇場の「現代の歌舞伎への挑戦」をにぎやかに楽しみたく、大勢のご参加をお待ちしております。

(神村記)

2018年7月7日 掲載

6月歌舞伎鑑賞会 観劇記

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毎年6月は、国立劇場の歌舞伎普及のための「歌舞伎鑑賞教室」に参加してきました。この公演は、中高生の課外授業として採用されており、この日の午後の部にも大勢の女子高校生の団体が参加していました。

恒例の「歌舞伎のみかた」解説では、坂東巳之助が若手ホープらしいさわやかな案内で、舞台に女子高校生を招きあげての、歌舞伎の所作のお稽古に万雷の拍手がありました。

こうした催しから、演じる方、観る方共次世代へ歌舞伎が受け継がれていくことを願ってやみません。

演目は、歌舞伎舞踊劇(所作事と呼ばれます)の内、「松羽目物」と類別される「連獅子」でした。明治34年、河竹黙阿弥の原作を改作して初演されたということでした。

松羽目物」とは、所作事の内、能舞台を模した舞台で、能と狂言を歌舞伎舞踊化したものです。この演目の引用は、能「石橋(連獅子の小書き)」と狂言「宗論」。

親子の獅子の精は中村又五郎と歌昇の親子の競演。長い毛を勇壮に振り回す「毛振り」は能とは違った歌舞伎固有の技です。「重労働やなあ!」との感嘆の声が客席から聞こえてくる熱演に拍手喝采でした。


国立劇場(本館)幕開き

鑑賞後は、2階食堂「十八番」に移って、15名の皆さまと恒例の懇親会をもちました。

「松羽目もの」と類別されるジャンルが、明治時代の政府から歌舞伎改良の強請を受けて現れた歴史的所産である事を紹介させていただきました。

次回は、9月15日に「文楽」公演です。演目は、傑作浄瑠璃の「夏祭浪速鑑」(通称「夏祭り」です。

団七九郎兵衛と一寸徳兵衛の義兄弟と老侠客釣舩三婦の義侠、高津神社の宵宮の神輿囃子が高まり近づく中での主家への義理のため心ならずにも犯す凄惨な団七の舅殺しの場、三婦の女房お辰の男勝りの義侠等々、浪速の夏の風物を彩る名作を楽しんでいただけます。多数のご参加をお待ちいたしております。

(神村記)