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一般社団法人 ディレクトフォース

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 2019/08/01(No298)

「チャレンジは楽しい!」

ーー 生涯現役のモチベーション ーー

根塚眞太郎

筆者

年齢に関係なく、チャレンジは楽しいもの。私はディレクトフォース・授業支援の会に参加させていただき、次のようなチャレンジ目標を立てました。

  • チャレンジ1:生徒・学生の皆さんの将来の役に立つ授業をしたい
  • チャレンジ2:一方的な授業でなく、生徒・学生の皆さんと双方向で会話・議論したい
  • チャレンジ3:生徒・学生の皆さんに100%満足してもらうために、カッコいいプレゼンテーション(授業)をしたい

チャレンジ1:
生徒・学生の皆さんの将来の役に立つ授業をしたい

ビジネスの世界では皆さんご承知のとおり、製品・サービスを売る側の価値提案と、買う側の課題・ニーズがマッチしてビジネスが成り立ちます。私は、授業も同じではないかと思います。

授業のテーマそのものは事前に決まっています。その与えられたテーマの中で自分の経験を語る(=価値提案)時、その経験のどの部分が生徒・学生の皆さんのニーズにマッチするか(マッチするとして)を考えるわけですが、ここで難しいのは生徒・学生側のニーズの把握です。

直近だけを考えれば、高校生の場合は大学入試、大学生の場合は就職かもしれませんが、それらの直近だけでなく彼らの中長期の課題・ニーズが何で、それに対して私はどのような価値が提供できるのか、大いに悩むところです。この悩むところがチャレンジのチャレンジたる所以かもしれません。インターネットでいろいろ調べたりしますが、やはり教室で彼らからいろいろ生の声を聞くのが一番です。ビジネスでいうところの現場主義ということでしょうか。授業終了後、生徒・学生の表情から「根塚の話はつまらん!」が読み取れれば帰りの反省会のビールがのどを通りません、ここは結構真面目に頑張りたいチャレンジです。

チャレンジ2:
一方的な授業でなく、生徒・学生の皆さんと双方向で会話・議論したい

人間誰しもそうだと思いますが、一方的にある人(それも50歳以上も違う人)の考え方を押し付けられても聞く気にはなれませんよね。ですから、私は授業のテーマに関係なく、生徒・学生の皆さんに議論を吹っ掛け、彼から自分の意見を言ってもらうように努力しています。ですが、これが非常に難しい。皆さんなかなか自分から手を挙げて積極的に意見を言おうとしません。

アメリカなどでは、幼稚園くらいから Show and Tell や Debate クラス がありますから、自分の意見を言うことの訓練を受けていますが、日本では必ずしもそうでないからかも知れません。

この分野では授業支援の会のある方から伺った次のやり方がとても参考になりました:

「これについてどう考える?」と投げかけるよりも、「答えは2者択一。どちらかを選択のうえ、その理由を説明してください。その時私は選択結果や理由について突っ込みますからね」。

なるほど!「漠とした質問をきっかけとした議論」よりも「答えざるを得ない議論の仕方」ということですね。一度トライしてみましたが、比較的うまくいきました。このような工夫は授業支援の会のメンバーの皆様や学校の先生方もお持ちだと思うのですが、ぜひこれからも勉強してみたいものです。

チャレンジ3:
100%満足してもらうために、カッコいいプレゼンテーションをしたい

これはどちらかという楽しいチャレンジであり、私の密やかな目標です。それは TED* なみ、あるいは Steve Jobs* なみのプレゼンテーション(授業)をして、聞いてもらう生徒・学生の皆さんに私の伝えたいこと、彼らに理解してほしいことを100%伝え、絶対眠らせず、かつ時間通りに終了するということです(目標が高すぎるって?そうですね、半分、自ら苦笑い)。

授業中の私(ピンマイクを使って 身振り手振りで動き回っています)

現役時代に英語によるプレゼンテーション・スキル研修を受けました。その中で今でも印象に残っているのは、「プロジェクターに投影される資料はなるべく簡潔に。聴衆はあなた(プレゼンター)の主張を聞きたいのであり、資料を読みたいのではないから」ということです。TED でも Steve Jobs でも背景に映し出される資料はほとんど写真や動画で文字はほとんどありませんが、彼らの説明には思わず引き込まれるほどの説得力がありますね。

授業で使うスライドはできる限りビジュアルかつシンプルに

もうひとつ学んだのは「ボディー・ランゲージの重要さ」です。会話コミュニケーションの中に占める言語の割合は20-30%。残りはボディー・ランゲージだそうです。そう言われると、TED も Steve Jobs も説明の時にじっとしていることはほとんどありません。

なるほど!説明の内容そのものはもちろん大事なのですが、それをどう伝えるかも大事ということですね。それぞれの掛け算「内容 x プレゼンテーション」ということでしょうか。このために、私はなるべく写真を多用し、文字は少なく、ピンマイクを使って動き回り、身振り手振りで授業をするように努めています。授業が終わると声は枯れ、体の節々が痛くなりますが、ゴルフの疲れより(特に悪いスコアの時の)はるかに心地よい疲れですし、その後の反省会でのビールも一層おいしくなるというわけです。こんな有り難いことはありません。

授業支援の会に参加させていただき、1年弱が経ちました。現役時代とはまったく違った活動内容なので、経験したことのないチャレンジが沢山あり、チャレンジであるが故にとても楽しい1年間を過ごさせていただきました。これからもチャレンジを続けたいと思います。

チャレンジは楽しい!(そして最高のボケ防止策!)!エンドマーク

ねづかしんたろう ディレクトフォース会員(1251) 
 元日本アイ・ビー・エム  

編集註:
TED
(テド、Technology Entertainment Design):アメリカ・ニューヨーク市に本部がある団体またはその Conference。カナダで、毎年大規模な世界的講演会が開催(主催)されている。2019年9月には神戸市でも行なわれる。
Steve Jobs:アメリカの実業家、技術者、作家、教育者。アップル社の共同設立者の1人。プレゼンテーションの能力は定評があった。

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