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一般社団法人 ディレクトフォース

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 2017/6/01(No246)

60の手習いで夢を叶える

飯田 孝司

筆者1 ピアノの購入

昨年はディレクトフォースのコーラス同好会の発表会と美術同好会(彩遊会)の個展の両方を鑑賞する機会に恵まれた。なかなか本格的な内容で楽しく鑑賞させてもらったが、双方のメンバーを見ると重複は殆どない。天は二物を与えないのか、周りを見渡しても音楽と絵画の両方が得意と言う人は稀で演歌歌手の八代亜紀ぐらいしか心当たりがない。

私はどちらかと言うと音楽系で、10年近く前の還暦を契機に思い切って電子ピアノを購入した。60歳にもなると時間的余裕も出てきて、子供の頃に果たせなかった夢をやっと実現した思いだ。

2 ピアノの手習い

ピアノは思いのほか全身運動で、60歳で始める手習いは厳しい。とにかく指が動かない。指先に全身の力が集中しないと良い音が出ないのに、肩とか腕ばかりに力が入ってしまい、最初の3年間は激しい肩こりに苦しんだ。

子供は真面目に毎日30分程度練習すると、5年程度でショパンの「子犬のワルツ」をそこそこ弾けるようになる。私も毎週通っているピアノ教室の先生と相談して、5年で「子犬のワルツ」を弾けるようになることを目標にした。私はさらに真面目に毎日1時間半ほど練習したが、「子犬のワルツ」をやっとの思いで弾けるようになるまで8年を要した。

時間当たりの練習効率で子供と比較すると、大きな差になってしまう。その理由は英会話の練習と同じで記憶力の差ではないかと感じている。私の場合、前日練習した内容を思い出すのに30分近くかかるため、1日30分の練習時間では殆ど前に進めない。記憶力とは人間の能力の重要な部分で、年を取ることの意味をあらためて感じさせられた。

3 弾きたい曲を弾きたいように

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自宅でピアノの練習をする私
(親戚が撮影しDVDにしてくれた)

記憶力で子供にかなわないなら、なるべく体系的に音楽を理解しようと音楽の基礎の勉強を独学で少し始めた。芸術分野なのに思ったより論理的である。例えば和音の種類はいろいろあるが、その適用ルールはしっかりと定められている。クラシックのピアノの楽譜を追っていくとそのルールに概ね収まっているし、コーラス同好会の人達も、そのルールに沿って美しいハーモニーを出しているのだろう。

音楽の基礎を少し勉強してもピアノの腕は変わらなかったが、編曲(アレンジ)するテクニックを覚えた。編曲と言っても、同じ曲のピアノの楽譜を何種類か取り揃え、「いいとこどり」をして、さらに自分の好みを加え、且つ自分で弾きやすいように全体をまとめる程度である。たまには昼間、カラオケに行って弾きたい曲の伴奏ばかりを繰り返し聞いて、編曲のヒントにすることもある。

70歳に近づくにつれて、これ以上いくら練習してもピアノの腕はあまり上達しないことを実感するようになってきた。そうなると演奏スタイルも編集のテクニックを活用して「弾きたい曲を弾きたいように弾く」、いわゆる自己流になっていった。

曲目もポピュラーが次第に増えて、沢田研二の「勝手にしやがれ」や山口百恵の「コスモス」はお気に入りの曲となったものの、人様に聞いていただくまでにはなかなかならなかった。だから、最近ディレクトフォースの事務所の入り口に飾ってある美術同好会の人が描いた絵画は人様に見てもらえて大変うらやましい*。

4 ピアノ発表会

発表会は自分が弾く曲を人様に聞いていただける唯一の機会で、必ず参加するようにしている。演目も自己流でなく、きっちりとした楽譜から選んでいる。最初の頃は緊張で指が震えていたが、最近ではやっと「今度はノーミスでいきたい」とフィギュアスケートの浅田真央と似たような気分で発表会に臨めるようになった。

(クリック⇒拡大)

私の通っているピアノ教室では、子供の頃に十分練習を積み重ね、結婚・育児等で一旦中断するも、子育てが一段落して再開したと思われる人が多い。

だから発表会の大人の部では艶やかに着飾ったアラフォー世代の腕の確かな女性が何十人もいる中で、私のピアノの腕は今でも下から数えて3本の指の中には確実に入る。それでも演奏後の拍手の数は他の方よりもいつも少し多い。たぶん努力賞をいただいたのだろう。

(クリック⇒拡大)

体力的にも少しずつきつくなってきており、練習の成果にも限界が見えてきたが、子供の頃からの夢だったから、まだまだピアノの手習いは続いている。エンドマーク

いいだたかし ディレクトフォース会員(481)
 元新日本製鐵 三菱マテリアル

編集註:*日本ビル移転後、スペースの関係で展示は中断しています。

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