2020/08/16(No.323)

８月16日に考えること：スピリット・ロゴマーク・アート

　

近藤 勝重

この日（８月16日）は日本人にとっては襟を正す郷愁の日であり、夏とその後に来る季節の節目の日であり、あの甲子園児の声の聞こえる炎天下の夏の日でもあって来た。それが今年は様相が一変、節目の日が時代を分かつターニングポイントになりそうな気配である。

京都では、恒例の五山の送り火が中止となり、全国各地での夏の風物詩の花火大会や盆踊り、地元の神社のお祭りなど多くのイベントが中止となっている。京都の町なかの路地裏の地蔵盆までなくなるのだろうか。昨年の「日本再発見紀行第２集」で五山の送り火の項を書かせていただいた私としてはまことに淋しい。

京都五山の送り火（「日本再発見紀行第２集」の挿入画 拙作）

京都五山の送り火（「日本再発見紀行第２集」の挿入画 拙作）

このことは、今後何を意味していくのだろうか。
グローバルな記事を紹介している新聞でも世界の有名な学者が見通しを述べているし、日本でも有識者が新様式におけるビジネスを提唱している。時代は変わるのだろうか。ブラック企業という言い方が出来なくなるという変化も始まっている。ブラック＝悪という図式はヘイトとして今後は使えない。今世界で同時に起きている様々な変化がシンクロすることで増幅され、新たな潮流となる。
無くなることがある一方で新しく生まれることがある。久しく見えなかったロスアンゼルスの雪山遠景が見えるようになった。日本でオーロラが見えるようになった。家庭菜園がはやり、自転車が見直されてきている。

京都五山の送り火（「日本再発見紀行第２集」の挿入画 拙作）

我が家の収穫

アップル社の株価は留まるところを知らない。銀行は今やマイナス金利で存在する意味がなくなってきている。当たり前のものが消えていき、従来出来なかったことが出来るようになる。省益優先と不作為の官邸の姿が丸見えになってきた。行動結果の責任か不作為の責任か、選択肢はどちらか、何を評価すべきかの民主主義がもっと進化しなければ、国民は浮かばれない。

このように外の景色がどんどん変わっていく。当然、われわれＤＦの中の景色も変わっていくことになろう。
新代表理事は代議員総会で「創業の原点強化」を主張された。ＤＦの原点は創業者が提唱したアカデミー事業である。今、大学は苦しんでいる。世界中で苦しんでいる。先進国のアメリカの大学でさえ今はすべてリモート授業となっている。大学教育をお手伝いしてきたわがＤＦはここで何をすべきかを問い、わが戦力を強化して、大学が抱えている「困りごと」を解決する手を差し伸べるのが「原点強化」と言えないだろうか。そのために何をなすべきかをここで答えが出せる話ではない。共に苦しまなければならない。

そのためのＤＦ内の新チームに期待したい。アカデミー本部チームとリモート交流推進室チームだ。ＤＦはいつまでも高齢者の団体と言っていられる立場にはない。免罪符にならない。完全な現役・現業団体だ。外の世界に対して責任を持つということだ。今までのＤＦはここのところをボランティア活動ということで緩めてきてはいないか。精神は良いが、気分までボランティアではいけない。ボランティアでも責任を取る。

変革を打ち出すには、旗印を明確に掲げるのがよい。いわゆる、ショー・ザ・フラッグだ。私はロゴマークを設定するのが好きだ。ＤＦの活動にはすべて固有のロゴマークをつくり、アイコンとともに各活動のシンボルにしてほしいと思っている。ちなみに、今あるアイコン・ロゴマークのいくつかは次の通り。

ディレクトフォース
百歳総研	理科実験	スタジオ651

同好会にはひとつずつアイコンが既にあり（参照：ＤＦ同好会ニュース）お馴染みだ。今後つくりたいロゴマークは、企業支援、横浜ベンチャー支援、アカデミー事業などで、ロゴマークはその事業・活動の「ブランド価値」を背負う。

私は、どんな仕事でもスピリットを感じ打ち込むくせがある。どんな仕事でも、その仕事を制するキーワードが思いつかなければその仕事はまとまらないし、人に対して説得力を持たない。スピリットを体現したキーワードが沸いてくればしめたものだ。それで半分以上成功だ。

スピリットを私に植え込んだのは元日本楽器の河島社長（ダイエー時代は副社長）だ。自分に厳しい人であった。ロゴマークの重要性を知ったのは８年にわたるリクルートでの仕事経験だ。

そして最後に頼りになるのが、自分自身のアート感覚だ。今も、絵は少しずつではあるが継続している。アート的に完成しているものには経済合理性が宿っていると確信している。ＤＦは三納さんというアートディレクターにより、外形的には完成の域にある。

このアートの力にふさわしい内容充実が求められており、もうすぐの所まで来ている。