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一般社団法人 ディレクトフォース

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2020/03/01(No.312)

「DF100歳社会総研」 は我らのチャレンジ

 

藤村 峯一

筆者

ほぼ1年前まで私が100歳社会に取り組むとは思ってもいなかった。また数か月前まで日本が、DFが、自分が世界の最先端にいると言う認識は無かった。

何の最先端かと言えば〈老齢化率〉である。

思えば人生とは目から鱗、認識の逆転の歴史なのではないだろうか。小さな例では米国内の飛行機に乗り昼食がでる、「チキンか、ビーフか」と聞きながらカートが通路を進んでくる。当時ビーフを頼む人が多く、私の数列前でビーフが売り切れとなる、アーなんと不運と思っていると、機体がエアポッケトで急落下。「昼飯などどうでもいい、何とか無事で」と瞬時に願いが変わる。

1967年にブリヂストンに技術系として入社、1989年に買収先のファイアストンに赴任などで過去の常識が覆る体験を何度もした。

DFの真瀬代表から「100歳社会」をDFの活動に取り入れたいとの話があったときには、「おもしろそうなテーマだ。勉強してみるか。もしかするとDFもブームに乗れるかもしれない」程度で気軽に議事録担当を引き受けた。

しかし実際に始めて見ると、100歳社会と言うテーマは、各国の政策から医療、年金、老老介護など、分野ははてしなく広く深い海のようで、DFという手漕ぎボートで漕ぎ出していくような感じであった。

また総研と言う名前にも大きな負担がある。普通「総研」と言えばシンクタンクで専門の研究員が多くいて、論文・提言をどんどん出して行く組織と受け止められる。今のDFにそれだけの力があるかと言うとちょっと心許無い。がしかし、目標は大きい方がいい、冒険心があった方が良いとこの名称に納得している。

冒険と言えば各国の若者の冒険心の比較をご存知だろうか。ちょっと古いが2015年のニュースウイークジャパンに、日本の20歳代の冒険心は飛びぬけて世界最低(米55%、独48%、日25%)であり「冒険志向の低さは,失敗(道草)に寛容ではない日本社会の思想を反映している」との記事がある。失われた30年、イノベーションで負けている元気のない日本とこの記事とは無関係でないように思われる。メンバーの中にはこの「100歳社会」活動の行く末に不安を持たれている方もいるが、かつてはエコノミック・アニマル、企業戦士であったDFメンバーが今や失敗を恐れる必要は何もないだろう。

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主要国における高齢者人口の割合の推移

ご存知のように日本人の平均寿命は1950年までは50歳を越えていなかった。これは主には幼児の死亡率が高かったためであり、その後、医療技術の進歩や公衆衛生の向上などに伴い、右肩上がりで伸びた。同時に1973年をピークとして出産率が低下し、日本は老齢化率(65歳以上の人口の率)が2019年28.4%と世界一の老人国となった。この変化が医療費増大や年金を支える若者が騎馬戦から肩車方式になり大変だということになった。

確かに大変な変革期である。2月の技術部会で現役官僚の江崎禎英氏の話を聞いた。彼はどの国も高齢化に向かう、高齢化は21世紀に28%前後で安定期に入る。大きな視点で見ると、年齢構成は19世紀型から次の21世紀への過渡期である今を、1970年以降の成長期に作られた制度・認識でいることが問題であると言う。例えば「高齢化対策」と言うが、今の年齢構成は元に戻せる訳ではないので、対策という表現は間違いで、高齢化を前提で課題を設定すべきと言う。このためには健康長寿社会、すなわち ①自立した生活社会的な役割と自由医療介護は自立をサポートする役割とすべきと唱えている。

これはDF100歳社会総研の目標 ①生き甲斐健康経済基盤を得て社会貢献と同意語ではないか。しかも健康長寿の面からDFは既にその集団の特性から日本で最先端にあると位置づけられるであろう。するとDFは来るべき日本のあるべき姿の一面、つまりロールモデルと言えるのではないか。このような考え方をするとDFの会員は21世紀以降の人類のあるべき姿の一面であると思われる。と言うことは、私は19世紀の平均寿命50歳から21世紀の長寿社会への変曲点に遭遇していることになり、DFの集団での成績は会員個人の実績の累積であるから、会員は無意識に時代の変曲点の中心にいて時代を作っていると言えるのではないだろうか。つまり会員個人の意識、習慣、行動がDF集団の特性を形成し、それが日本で健康寿命の最先端付近にいて、世界の最先端と思うのは妄想だろうか。

立花隆が「私は現代と言う退屈な時代でなく激動の幕末に生まれたかった。がしかし今の世の変化の方が幕末より激動であることに気づいた」と書いていた。人類の歴史上始めて100歳に届こうかと言う寿命を達成しつつある。これは激動の世を体験していると言える。

100歳社会総研は総合研究所ではなく「総動員研究所」でもある。会員の全員が既にロールモデルとしての役割がある。できるだけ最後まで元気でいれば医療費を削減できる。元気でいるためには生き甲斐と経済基盤がなくてはならない。

100歳社会総研の目的

その1は、DF会員の生き甲斐、健康、経済基盤充実の支援である。

その2は、外部の関連機関との連携、協働である。

その3は、活動の外部発信である。

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現時点でこれらの活動が具体化しているものもあるが、未着手のものも多い、組織的にもがっちり決まったものではなく走りながら設定して行かざるを得ない状況である。

参考までにご紹介すると、100歳社会総研の現時点でのテーマは次の通り。

  • シニアの女性が輝く社会
  • リカレント教育
  • 地方自治体との連携
  • 80歳超会員が活躍する場の創出
  • 健康寿命を伸ばす方策
  • シニアの経済基盤
  • ポスト団塊高齢世代など

どうせやるからには成功させたい。会員各位のご意見、ご参加を願う次第である。エンドマーク

ふじむら みねかず ディレクトフォース会員(499)
「100歳社会総合研究所」事務長 
元 ブリヂストン 

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